出産という命がけの大仕事に挑むとき、本来ならば夫がついていてくれるのは心強いはず。ところが夫たちは、心強いはおろか、陣痛中のママたちを激怒させる珍行動に出たのです! 「立会い出産したら、愛が高まるどころかがっくりきた!」と語る妻たちに、お話を聞きました。
■夫を黙らせようと口を開いた瞬間…(詩子さん / 29歳 /経理事務)
ネットで読んだ出産体験記に「痛くても叫び声をあげずに出産した。自分が他の産婦さんの叫び声で恐怖が増したので、他の人を怖がらせたくなかった」というものがありました。大変なときにまで他人を思いやる行動に感激して「私も出産では叫ばない!」と決めていたんです。
いよいよ出産当日。陣痛室の産婦は私ひとりですが、いつ他の方が入ってくるかもしれません。激痛に耐えながらも、必死で声を押さえました。すると立ち合い中の夫が「映画やドラマでは結構叫んだりするのに、詩子ちゃんは静かだね。痛くないの?」と聞いてくるのです。
私が声をあげない理由を説明すると納得。助産師さんや周りのスタッフさんにも「うちの家内、叫ばないように頑張ってるけど、かなり痛いらしいっす」と説明し、スタッフさんと談笑し始めました。もともと人懐っこい性格とはいえ、苦しむ私をよそに楽しそうにしないでよ…!
そこに別の産婦さんが入室。不安そうな表情が見え、逆に「この人を怖がらせてはいけない!」と力が入った私は、ますます口を真一文字に。すると夫が、その産婦さんにまで話しかけ始め「どんな感じっすか? うちはあんまり叫ばないけど、けっこう痛いらしいっす」と余計なひと言。
「ちょっと黙ってて!」と言おうと口を開いた拍子に、激痛に見舞われ「ぎええええ!!」と恐ろしい叫び声を上げてしまいました。ここまで何のためにこらえていたんだか…お調子者の夫のせいで、信念は遂げられませんでした。