最近、私鉄ではキャラクターなどが描かれたラッピング列車を走らせています。ラッピング列車は期間限定で運行されることが多く、いつまでも見られる列車ではありません。そこで今回はラッピング列車の楽しみ方を解説します。ぜひ子どもと一緒にラッピング列車を楽しんでくださいね。

そもそも、ラッピング列車とは

ラッピング車両とはキャンペーンやイベントに合わせて、キャラクターなどが描かれたフィルムを貼り付けた車両を指します。通常は期間限定で運行されるため、ずっと見られるわけではありません。

 

ラッピング車両は特定の1編成に施されることが多いです。また車両によっては車体だけでなく、車内にもさまざまな装飾が施されています。ラッピング車両の運行に合わせて、素敵なプレゼントが用意されている場合も。このようにラッピング車両にはさまざまな楽しみ方が隠されています。

ラッピング車両の出発式に参加してみよう

 

ラッピング車両を運行するほとんどの鉄道会社は運行初日に出発式を行います。出発式は平日以外の始発駅や主要駅で行われます。式では鉄道会社の社長や沿線自治体の首長があいさつしますが、時にはアニメの原作者や芸能人が登場することも。出発式の案内は鉄道会社のホームページに掲載されるので、ラッピング列車の噂を聞いたらチェックしてみましょう。

 

式が行われる前にはラッピング車両が会場となる駅に入線します。ホームページでは入線時刻も掲載されるため、確実にラッピング列車の写真が撮れます。

ラッピング列車の見つけ方

出発式などのイベントを除き、ラッピング車両は一般車と同じように通常運用に入ります。つまりホームページでラッピング車両の運用に関する掲載はありません。ラッピング車両は1編成のみ。どうやって見つければいいでしょうか。

 

やってはいけないことは鉄道会社に尋ねること。鉄道会社は日々の業務で忙しいので、一気に問い合わせが増えると大変です。そこで活用したいのがTwitterです。Twitterの検索欄にラッピング車両の名称を入力すると、当日の写真と運用が記されたツイートが見つかるはず。ツイートされた時間帯が昼間だと運行を予測できます。最初に撮影された駅と時刻を特定し、時刻表で該当する列車を見つけます。次に上りと下りの時刻表を見ながら、ラッピング車両の運用を追っていきます。すると最寄駅に到着する時刻が割り出せますよ。

車体は前面だけでなく側面もチェックしよう

出発式の様子を見ると、多くの鉄道ファンはラッピング車両の前面を撮影しがちです。前面を撮影する重要性は理解できますが、側面にもっと注目してよ! というのが筆者の率直な感想です。

 

面積の関係から、側面には前面よりも多くのキャラクターが見られます。車両によっては各車両でラッピングの内容が異なる場合も。どのラッピング車両も美しく見せるため工夫しています。ぜひ側面の写真もお忘れなく。

意外と難しいラッピング車両の撮影

とは言うものの、意外とラッピング車両の撮影は難しいです。前面はいつも通り撮影すればいいですから問題はないでしょう。問題は側面です。1つ目に人が入ってしまうため、シャッターを切るタイミングが難しいです。2つ目にラフに撮影すると車体側面が平行に映らず違和感が残ることです。

 

まず出発式などのイベントを除き、昼間時間帯などの閑散期に撮影しましょう。撮りたいキャラクターを見つけたら真正面に立ちます。なるべくキャラクターが真ん中に来るように設定してください。次にホーム端にある白線や黄色の点字ブロックが写らないようにします。

 

構図が決まったらストロボをたかずにオートマで何枚か撮影します。一番いいのは1枚撮るたびに画面で確認することです。おそらく撮影すると全体的に暗く写ると思います。そこは各種ソフトで明るさを調節すればOKです。正直なところ、納得できる写真は全体の20%ほどでしょう。そのため何枚も撮影することをおすすめします。

車両だけでなくイベントやプレゼントにも注目しよう

ラッピング車両だけで終わらすのはもったいない! 鉄道会社ではラッピング車両の運行に合わせて独自のイベントやプレゼントを企画しています。場合によっては期間内にしか購入できない限定品が販売されることも。ぜひホームページにあるイベントやプレゼントに関する情報もチェックしましょう。

 

このように、ラッピング車両は気軽にさまざまな楽しみ方ができます。ラッピング車両を通じて、意外な鉄道の楽しみ方を発見できるかもしれませんよ。

 

文・撮影/新田浩之