今年、2020年に向けて「スムーズビズ」という新たな取り組みが発表されました。“通勤ラッシュ時の公共交通機関利用をさける”という方針に、多くの人が注目をしています。

ラッシュ時を避けて通勤!? 東京都が実験的に「スムーズビズ」を開始


そもそも「スムーズビズ」とは、東京五輪開催による交通混雑の緩和などを目的とした取り組み。期間中の首都圏には多くの観光客が訪れると見られ、電車の利用状況が普段よりも約1割増えるとされています。そこで東京都は、“混雑時を避ける時差出勤”や“テレワーク”などを推奨する「スムーズビズ」を提案しました。

 

2019年7月22日~9月6日には、交通混雑の緩和に向けた取り組みをテストする「スムーズビズ推進期間」を設けています。実際にスムーズビズを5日間取り入れた東京都職員は、午前8時から午前10時まで公共交通機関の利用を控えていた模様。ラッシュを避けて出勤できるため、とても好評のようです。

 

ネット上でも「スムーズビズ」に対して様々な反響が。中でも目立ったのは、「通勤ラッシュの時間帯を避けられるのは魅力的」という“スムーズビズ肯定派”の声でした。他にも、「都内の電車通勤は満員との闘い。少しでも楽に通えるなら、ぜひうちの会社も採用してほしい」「通勤ラッシュは体力を使うので、混雑状況が和らぐならとても嬉しい」といった声も見られます。

子育て中の仕事に最適!“テレワーク”の体験者から喜びの声続出


スムーズビズの実験期間中は、「テレワーク・デイズ2019」も同時に実施。テレワークとは、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。最近では多くの大企業が積極的に採用し、これまでのワークスタイルを新たに見直しているよう。

 

「テレワーク・デイズ2019」では、全国で3000団体、60万人以上の参加を目標としています。公式サイトによると、テレワークは“企業・就業者・社会”に対して色々なメリットをもたらしてくれるそう。例えば企業の場合は、「生産性の向上」「人材の確保」「オフィスコストの削減」などの効果も期待できます。また就業者の観点から見ると、「ワークライフバランスの向上」「女性・高齢者・障がい者などの就業促進」というメリットも。

 

2018年にも「テレワーク・デイズ」は行われており、約1682団体・約30万人が参加。参加企業や団体からは、「短時間勤務しかできない育児・介護中の社員がフルタイムで働けるようになりました」「テレワークがキッカケになってチーム内の情報共有が活発に」との声が寄せられています。

「時差Biz」によって電車の混雑が解消!?


今年発表された「スムーズビズ」ですが、“通勤時間をずらす”働き方「時差Biz」は以前から行われていました。2018年には、「時差Biz」を実際に取り入れた企業や個人を対象にアンケート調査を実施。企業と個人に“プラスに働いたこと”を尋ねています。

 

企業の回答で最も多かったのは、「人事制度の活用促進に貢献した」の39.1%。次いで「社員から参加取組への評価があった(37.6%)」、「人事制度の社内浸透に貢献した(33.2%)」というランキングになりました。個人の場合は、「朝の時間帯を有効活用できた(38.4%)」「夕方のプライベートライフが充実(30.4%)」「家族と一緒に過ごす時間が増えた(19.3%)」などの回答が。

 

「時差Biz」期間中には、電車の混雑状況を表す“平均ピーク率”の調査も実施しています。全20駅を対象に5日間の平均ピーク率を調べた結果、一昨年よりも「1.3ポイント」減少。混雑が各通勤時間に分散された駅が多く、都営大江戸線・汐留駅のピーク時は一昨年と比べて「3.8ポイント」も減っていました。

 

東京五輪に向けて加速する新たな働き方改革。五輪を機会に、より働きやすい職場環境になっていったら嬉しいですね。

文/内田裕子  参考:東京都スムーズビズ