夫婦仲の悪さは、子どもの情緒や成長にも影を落とします。セックスレスどころか、会話もなく、共有する時間もほとんどない。そんな「もう離婚しかないのかな…」と思うほどに関係が悪化した〝仮面夫婦〟が、関係を修復した例をご紹介します。当時の思いと、修復のきっかけとなった方法について、取材しました。

 

■夫婦カウンセリングで家族になれた(みどりさん/37/看護師)

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「仮面夫婦」となって数年経ったある日。年長の娘が保育園で「家族」の絵を描いてきたのですが、なんと家が3つあって、そこには家族3人が別々に入っていたんです。娘にとっての家族のイメージを突きつけられて、愕然としました。 あまり話さなくもなっていたのも心配で、医療機関に相談。「家族療法をやってみましょうか」と提案され、旦那も一緒にカウンセリングを受けることになりました。そこで指摘されて、初めて驚いたことがありました。 私が話しはじめると旦那はぼんやりと外を見はじめ、旦那が話し始めると私も同じように外を見ていたのです。要するに、「お互い向き合うことを避けていた」のだと気づきました。 いまもぎこちなさはありますが、生活のなかでも少しずつ話ができるように。小学校にあがったころ、娘に再び家族の絵を描いてもらったのですが、3人ともちゃんとひとつの家のなかに描かれていて、涙が止まりませんでした。