子どもが大きくなるにつれ、習い事費用、携帯代など増えてきます。「マイホームも欲しいなあ」「家族旅行も行きたいな」など、思うところもあるでしょう。そして、ふと頭をよぎるのが、収入が増えたら……。専業主婦やパートのママは、仕事を始めようか、パートの時間を増やそうか、考えるのではないでしょうか。今回は、世帯年収が増えたらどんな暮らしができるのか、小学生2人がいる4人家族の家計をシミュレーションしてみました。


各年収における支出は、総務省統計局の家計調査(2017年)における『年間収入十分位階級別1世帯当たり1カ月間の収入と支出(総世帯のうち勤労者世帯)』を、教育費は文部科学省『平成28年度子供の学習費調査』を参考にしています。

 

〇世帯年収300万円のケース

2人以上の世帯のうち、勤労者世帯の平均年収は729万円(総務省統計局家計調査報告2018)です。世帯年収300万円は平均を下回っていますが、小学生の親はまだ若いこともあり、全国平均以下の家庭も少なくないでしょう。 この場合、収入から社会保険料や所得税、年金を差し引いた手取り額は約232万円。ボーナスなしと考えると、月収(手取り)は約19万円となります。 そこから考えられる家計は、


食費 40,000円


住居費 62,000円


水道・光熱費 13,000円


日用品 4,000円


衣類代 6,000円


医療費 6,000円


交通・通信費 24,000円


教育費 17,000円


交際費 11,000円


その他 7,000円 未就学児や独身時代の支出と比較すると、余裕があるようにも見えます。しかし、公立小学校に子供2人を通わせるだけで、校外学習代・教科外活動費・生徒会費・給食代などでこの金額。塾やスポーツチームの所属、習い事などをするには、他の支出を抑える必要があります。 子どもが小さいうちは月40,000円の食費でも何とかなったかもしれませんが、高学年になってくると食べる量が増えますので、もっと食費がかかると思った方がよいかもしれません。また、このシミュレーションには、おこづかいが具体的になっていません。この範囲内でおこづかいを出すならば、「その他」の項目からの支出となります。この中で、減らせる可能性があるとすれば、交通・通信費や住居費。お住まいの地域やキャリアによっては、すでにこの金額以下でやりくりできている家庭もあるのではないでしょうか。世帯年収300万円の暮らしは、収入の多くが削れない支出として出ていきますので、節約がポイントとなります。