西田尚美
「家族みんなで過ごすことも息抜き」と語る西田さん

── 娘さんと言い争いをするシーンがありますが、そんな時期が実生活でも来るかもなんて思いましたか?

 

西田さん:思いました。時期的には反抗期なので。怖くもあり楽しみでもあるのですが、「いつか過ぎるだろう」って思っています。2、3歳のときもそうでしたからね。“魔の2歳”とかすごく怖かったけれど、過ぎてしまえばなんてことない。すごく大変だったけど可愛かったし、あの時期は戻ってこない。そう思うと悪くないなって思います。

 

── とてもリラックスして子育てしている印象です。

 

西田さん:無理をしない、頑張らないっていっても、結果的には頑張ってしまってますよね。でも、みんなの協力あってこそと思っています。夜はゆっくりお風呂に入り、休日に映画や舞台を観に行ったり、家族でごはんを食べに行く。みんなで過ごすことも息抜きになっています。

 

── 子育てを経てそういうスタンスになったのでしょうか?

 

西田さん:結婚する前からせかせかするのは得意ではありませんでした。ダラダラ過ごすのが好きな性分です(笑)結婚した頃は、他人と一緒に住むことで合わせなくちゃいけない部分があるし、慣れないこともあって無理もしていたと思います。若い頃の方が頑張っていたと思います。でも、だんだんなんとなく自然に(家族という)形になっていくものなんだと感じました。

 

娘も言えばわかる年齢になってきたので「しんどいから、これやってもらってもいい?」「今は無理」とか言えるようになったのも大きいですね。これが男の子だったら、いいところ見せようと思って頑張っていたかもしれません。女の子だから心を許しちゃうような部分もあるのかな、なんて思います。

 

── CHANTO読者にメッセージをお願いします。

 

西田さん:私は、あの家族に幸せになってほしい、救われてほしいと思いました。観る人それぞれに感じることは違うと思いますが、自分たちの家族や愛の形、人を思う気持ちみたいなものを感じられる映画です。この映画で人間のかすかな揺らぎを感じていただけたらと思います。

 

西田尚美 / 女優 

1970年生まれ。広島県出身。モデルを経て女優へ。映画『リバーズ・エッジ』『友罪』『美知の通勤電車』『生きてるだけで、愛。』、ドラマ『三匹のおっさん シリーズ』『監査役 野崎修平』、舞台『新世界ロマンスオーケストラ』『すべての四月のために』など、話題の映画、ドラマ、舞台に多数出演。本作『凪待ち』と同日公開映画『新聞記者』や7月20日公開『五億円のじんせい』なども待機中。

 

nagi_poster_B2_final_ol
©2018「凪待ち」FILM PARTNERS

 

取材・文/タナカシノブ