継続と褒めが金メダルに続く自信になった

土性沙羅
もともとは内向的で人と争うことは苦手だったという土性さんだが、レスリングでは「負けたくない」と最後まで食らいついた

── なぜ金メダルにたどりつけたと思いますか。

 

土性さん:やっぱり途中でやめずに積み重ね続けたことが大きかったと思います。自分では「運動音痴だからやめよう」と言い出せない部分もありましたが、それでもずっと続けてきた。幼少期から厳しい環境に身を置いてきたことも、今につながっていると感じます。

 

途中からはレスリングに対する気持ちも変わっていきましたし、オリンピックへの思いも変化しました。たくさんの人に支えてもらったことも含めて、いろいろな要因が重なって今があるのだと思います。

 

中学生で初めて海外の試合に出場したときのことです。周りはきっと「勝つのは難しいだろう」と思っていたはずですが、そのなかで優勝できた。あの経験が自信になりました。そうやって小さな自信が少しずつ積み重なって、やがて大きな自信につながり、成績も出せるようになっていった。その流れがあのリオ五輪の金メダルにつながっているのだと思います。

 

── 自信をつけることの大切さを土性さんはどのように感じていますか。

 

土性さん:私も怒られて育ってきましたが、できたときにはたくさん褒めてもらいましたし、それが嬉しくて、「また頑張ろう」という前向きな気持ちで取り組めていました。だからこそ、小さなお子さんにはできたときには周りが褒めてあげれば、やる気や物事に対しての向き合い方も変わってくるかなと思います。

 

私も基本的にレスリングをしている自分とその他の自分では違う人格なんです。レスリングで自信はついても、他のことになるとマイナス思考になっていたり。よく友達にも言われていたんですよ。「なんでレスリングではそんなに強いのに、それ以外になると自信がないの?」って。そこは大人になってもあまり変わらなかったかもしれませんね。

 

ただ、幼少期の頃よりも強くなって、結果を出して、それに伴って褒められたり、認めてもらえることがすごく増えて多少なりとも自信がつき、それ以外の場面でも考え方が変化したのかなと感じています。

 

取材・文:石井宏美 写真:土性沙羅