売却交渉はすべて1人で「ハワイの別荘が大変で」

── 自分の意見を強く主張せずに、伝え方を変えたんですね。
綾菜さん:はい。家族だからこそ、正論で言われても嫌だと思うので。何度か一緒に動画を見ていると次第に旦那さんも気持ちが変わっていったようで。「俺が急に死んだら、こんなに家がたくさんあっても綾が大変だな」と思うように。それまで、エンディングノートとか自分が亡くなった後について深く考えていなかったと思いますが、終活についても意識してくれるようになりました。
その後2人で話し合って、旦那さんが持っている家を「欲しい」と言ってくれる人に売って住んでもらったほうがいいねとなり、地方の家のひとつを新婚さんに売ることに。相手の方と書面を交わすときに初めて対面しましたが、売主が旦那さんだと知って、「すごく運がいい!ありがとうございます!」と喜んでくれたみたいで。旦那さんも「住みたい人に住んでもらえてよかった」と嬉しそうでした。
── みんなにとって幸せですね。綾菜さんは新しい家が決まるまで、すべて綾菜さん1人で不動産を回って交渉していたそうですが、5軒もあると大変そうです。
綾菜さん:とくにハワイの別荘は大変でした。書類が英語で、契約の際は現地に行かないといけないし、売るまで時間がかかる。今までかかった維持費を考えたら「ホテルで十分だ」と改めて思いましたね。
住み替えた新しい家は、旦那さんが住みたいと言っているエリアの中で探しました。バリアフリーでお風呂やトイレも手すりがついて、でも、介護を全面に押し出すのではなく重厚感があるところがいいなって。最終的に決まった家は、今まで住んでいた家の4分の1の広さになりましたが、日当たりが良くて部屋から富士山が見えて、愛犬と暮らせるので、物件を見つけた瞬間、「ここだ!」と思いました。
あえて低層階を選んだのは、旦那さんが体調を崩したときに階段やエレベーターの移動に時間がかからない場所がいいと思ったから。旦那さんも「今まで住んだ家の中でいちばんいい」と気に入ってくれています。
引っ越しをする際、衣装や旦那さんのグッズなど3000点くらいありましたが、5軒の家からすべて集めて、綺麗に磨いて倉庫を借りて保管しています。