「育児で苦しい時に、救急車のようにすぐ来てくれるサービスがあったら」。SNSでそんな投稿を見たことをきっかけに、24時間365日対応の育児支援サービスを立ち上げた石黒和希さん。サービスには、自身も2児の親として子育てのつらさを味わったことが大きく関係しているそうです。

「育児にも救急車のようなサービスがあれば」

── 24時間365日、ベビーシッターがかけつけてくれる育児支援サービス「育児119」。誕生の背景には、石黒さんがX(Twitter)で見かけた投稿が大きく関わっているそうですね。

 

石黒さん:3年ほど前、あるお母さんがポストしていた「自分が苦しい時、助けてほしい時に、駆けつけて助けてくれる救急車のようなサービスがあったらいいのに」という投稿を見た時に、雷が落ちたような感覚を覚えたんです。「そんなサービスが世の中に普及したら、孤立している家庭を助けられるかもしれない」と。できるできないではなく、「自分がやらなければ」という使命感にかられてサービスを始めようと決意しました。

 

── そこまで使命感を感じたのはどうしてですか?

 

石黒さん:私は2児の父親なんですが、上の子どもの誕生をきっかけに育児のなかで気がついたことや経験談をインスタグラムに投稿していたんです。当時はただの会社員で、起業したいとかフォロワー数を増やしたいなどの明確な目標もなく日記に近い形でした。ただ、ちょうど男性の育休が推進され、イクメンなどの言葉が出てきたタイミングで、時代の背景とマッチしたのかだんだんとフォロワー数が増えていきました。

 

石黒和希
生後1か月の上の子を抱っこしながら食事をとる石黒さん

すると、フォロワーの方からメッセージで育児の悩みが届くようになったんです。「頼る先がなく、毎日ワンオペで苦しい」「助けてほしいけど、助けてもらえる人がいない」「消えてしまいたい」と胸が痛くなるようなメッセージが多い時は1日に10件くらい届いていました。

 

それらのメッセージに返信をしているうちに、子育てのなかで孤立しているお母さんの多さに気がつき、これは社会課題なのではないかと思い始めていました。そんなとき、先の投稿を見かけて「こんなサービスなら、メッセージをくれたお母さんたちのような保護者を助けられるかもしれない」と強く思ったんです。