当事者同士で語る本音「自分だけじゃなかった」

── 主宰者として、どのような姿勢で参加者に向き合っていますか?

 

くどうさん:一人ひとりすべて状況と悩みが異なるので、どうすれば前向きになってもらえるか、その方法は簡単ではありません。でも、こうして心の奥底に閉じ込めていた経験や思いを吐露する場所は絶対に必要という確信を持って、現在まで続けています。

 

家族や友人に話せる人もいますが、心底、本音を話せるかというと難しいケースもあって。そのため、何を話しても大丈夫という「安心・安全な場所」「共感・共有できる場所」にすることを心がけています。

 

私自身は長年、不妊治療をしたわけではないので、その点では心理的負担はあまり感じませんが、産むことが叶わないとわかったときは、とてもショックでした。すごく悩む人とあまり悩まない人のちょうど中間くらいの立場にいるため、客観的に皆さんの話を聞けるのかもしれません。

 

著書でも綴られた、産まない選択をした女性の話(森下えみこ・くどうみやこ共著『まんが 子どものいない私たちの生き方』/小学館より)

── 話をしながら涙を流す人もいるということですが、会合の最後はどんな雰囲気になるのでしょうか?

 

くどうさん:最初は緊張の面持ちで参加される方が多いのですが、腹を割って話をして、最後は「子どもいないあるある」で和やかな笑いが起きますよ。たとえば「自分は性格が悪い」と思い込んでいる人がけっこういるんです。職場の同僚の妊娠報告を聞いて、複雑な気持ちになり、素直に喜べない自分は性格が悪いと落ち込んでしまう。でも、不妊治療を続けてつらい気持ちを抱えていたら、誰だって彼女のように複雑な気持ちにもなりますよね。皆で話すと「自分だけじゃない」ことを知り、気持ちが楽になるみたいです。