「お金から自由になるはずが…」

ふゆこ
資産が拡大するに伴って思わぬ悩みも…

── 着実に資産形成をしてきたふゆこさんですが、思わぬ悩みもあったそうですね。

 

ふゆこさん:会社員時代にFIREを目指して節約や運用を始め、その後、会社を辞めて、節約や資産運用の情報を発信するYouTuberになりました。自由な時間は増えましたが、会社員とは違って時間の制約のない仕事ですから、「今後の資産形成はどうしよう」と、気づくと24時間、仕事のことばかり。もともとお金の不安から解放されるために節約や投資を始めたのに、逆にお金の不安が頭から離れない。趣味の時間もゼロ。

 

資産は順調にふえているにも関わらず、ここ数年間はリラックスできない緊張感のある時間が続き、苦しんでいる状態です。

 

── 楽しかったはずの節約や投資が苦しみに変わってしまった。「好きを仕事にする」難しさですね。その問題は解決したのですか?

 

ふゆこさん:はい。自分を少し客観視するトレーニングを受けたことで、今の自分がお金ばかりを追いかけている生活だと気づくことができ、生活をガラッと変えることができました。朝は5時に起きて9時まで仕事をして、昼は犬の散歩をしたり、趣味の乗馬をしたり、人と会う仕事の打ち合わせや取材をするように。夜も早めに寝る健康的な生活です。趣味ややりたいことを大切にするようにもなりました。

 

そのうえで、資産運用の出口戦略を考えるようになりました。このまま貯蓄と資産運用を継続すれば、いつかは1億円に到達できます。でも、「お金がそんなに必要なのか」と考えたら、いらないわけです。

 

あるとき、お金がない時期に作った「やりたいことリスト」を改めて見たのですが、全然、叶えられていないことに気づきました。老後資金の確保などに加え、資産運用の目的のひとつにしていた海外旅行ですら、まったくできていなくて。

 

それなのに、「貯蓄に手をつけたら資産が減ってしまう」と、だんだんお金を使うことに腰が重くなっていたんです。これだと考え方はお金がないときとまったく一緒。「NISA貧乏」と同じ発想ですよね。

 

── 人生にも限りがありますからね。

 

ふゆこさん:20代と同じ悩みにとらわれるのはやめようと気づいてからは、海外旅行に行くこともそうですが、心身ともに常に健康でいられるよう、自分をチューニングすることを大切にしています。

 

── たしかに、お金は使わないと意味がないですよね。

 

ふゆこさん:資産形成は終わりがないので、ある程度貯まったら、何に使うかを考えたほうがいいと思います。

 

何より、人生はお金だけではありません。橘玲氏の『幸福の「資本」論』によると、人が幸せに生きていくために必要な3つの資本があります。それが運用によって増やすことができる金銭的な資産を指す「金融資本」、スキル・健康などの稼ぐ能力を指す「人的資本」、家族や友人との絆や信頼関係を指す「社会資本」です。


金融資産だけに頼らずに、すべての資産を大切に生活していれば、目に見えない不安に苛まれることなく、毎日が楽しく過ごせる気がします。

 

それに、それぞれがしっかりしていれば、たとえ金融資産が一時的に暴落したとしても、残りの資産で人生、なんとかなるものです。それが、心穏やかに資産運用を継続できるコツでもあります。