乳がんで乳房全摘した話をすると
── 板橋さんが掲げていた「条件リスト」は満たしていたのでしょうか。
板橋さん:いえ、運転ができる、家事が得意などは当てはまりましたが、それでも半分くらいでしょうか。10項目はあくまで目安であって、すべて完璧にできるパートナーが欲しかったわけではないんです。10項目満たしていても、別の事柄がNGだったら結婚相手にはならない、ということだってありえますし。
── また、彼にはどのタイミングで乳がんについてお話しされましたか?
板橋さん:交際が始まって少ししてからですね。乳がんで乳房を全摘出した話をしなければいけない。それでダメなら縁が無かったんだ、と割り切って「乳がんの治療をしている」と話をしました。彼の周りでも乳がんを罹患した人がいたことや、2人に1人はがんになる時代と理解していたので、落ち着いて話を聞いてくれました。
また、彼と出会ったときはすでに手術と再建が終わっていて、投薬と経過観察をしている状態でした。私自身もあとはいい方向に向かうだけだと思い、穏やかだったと思います。
その後、彼の仕事の都合で引っ越しをするタイミングで結婚しました。55歳のときでした。
── すでに自分の生活リズムが確立された50代の2人がひとつ屋根の下で暮らすとなると、ストレスもたまったのでは?
板橋さん:それが、そうでもなかったんですよね。むしろ、ちょっとしたことを話せる相手がすぐそばにいることがすごくありがたくて。何かあったときに相談できる存在がいることが心強いです。「あれ買っといて」なんて雑用を気軽に頼めるよさも実感しています(笑)。
ただ、そう思えるのはお互いの生活パターンがあまり重なっていないからでしょうね。私は平日でも会食が多いし、週末もいろんな予定を入れているから、毎日べったりというわけではないので。自立した大人同士の同居生活、という感覚です。
お金の管理も、最初に共有の口座にそれぞれこれくらい生活費を入れましょうと話し合いましたが、それ以外の財布は別です。自分が欲しいものは各自で買うので、「この鍋、私が欲しいから買うね」みたいな感じですね。