「300社回って全滅でした」実績ゼロで受けた洗礼

── 企業、利用者、社会の「三方よし」のビジネスモデルとして注目を集めました。大阪市内ですでにポートが約700拠点あります。

 

川口さん:ポートの設置場所を無償提供する企業にとっては社会貢献や集客効果が期待でき、シェアサイクルの利用者にとっては使い勝手がよく、社会にとってはホームレス問題と自転車問題の解決につながります。三方よしの関係を築けるアイデアや、何より2つの社会課題を同時に解決するという点で評価いただきました。

 

とはいえ、最初から順調だったわけではありません。ビルやホテル、カフェの軒先の余った土地をポートの設置場所として貸してもらうべく、軒先からできる社会貢献=「ノキサキ貢献」と名づけ、企業を回ってお願いすることにしたんです。

 

ところがいくら回っても、色よい返事はもらえませんでした。300社ほど回っても全滅。心が折れました(笑)。結局、信用がなかったんです。大学在学中に起業したので当時はまだ20歳の女子大生。「ホームレス問題を解決したい」「シェアサイクルの拠点をつくりたい」と熱弁しても、実績もないから「本当にできるの?」と、怪しまれて終わるわけです。

 

そこで実証実験をすることに切り替え、4か所のビルの軒先からスタートしました。この実験で好感触をつかみ、HUBchariの営業を地道に継続。少しずつ認知されていき、自治体や企業の支援を得られるにようになって軌道に乗ったという感じです。それでも、花開くまでは8年くらいかかったと思います。