ヤングケアラーは声をあげにくい

── 国や自治体の調査では、クラスに1〜2人の割合でヤングケアラーの子どもがいるそうです。経済的な不安や、「家族のため」という自己犠牲の精神によって将来にも影響を及ぼしているそうなのですが、私たちができることはあるのでしょうか。

 

町さん:ヤングケアラーには支援が必要なタイミングが絶対あります。特に進学や進路決定の際には大人の伴走が必要です。今はSNSがあるから自分で簡単に何でも調べられると思いがちですが、やはり子どもは子どもであり、見えている世界も生きている世界も非常に狭いです。私もそうでした。奨学金などの制度に関しては学校の先生が助言をしてくださいました。

 

ただ、学校だけではどうしても支援に限界があります。ヤングケアラーは困りごとを抱えている家族への支援も必要となりますが、先生が直接家事や経済的な支援をすることはできませんので、気になる生徒がいれば子ども家庭センターやソーシャルワーカーなど、地域の専門職に繋げてほしいです。

 

専門職ではなくても、地域の中に助けてくれる大人や頼れる大人がいてくれたらと思います。家庭の問題だからと学校や友達には相談できず、事情を隠している場合もあります。「もしかしてあの子、そうかな」と気になったときには見て見ぬふりをせず、何気ない挨拶でかまいませんので、声をかけてください。一人ひとりがアンテナを立てればヤングケアラーの存在に絶対に気づくはず。私たちが母の親友の、山田のおばちゃんに助けてもらったように、今度は私が誰かのために行動できる大人でありたいと思っています。

 

取材・文:内橋明日香 写真:町亞聖