「好き」を止めなかったことで広がった、表現の世界

── 美貴さんの絵は、サインペンと色鉛筆を使って、下書きなしで描くスタイルが特徴です。現在のような表現は、どのように形作られていったのですか?
高田さん:このスタイルは中学生のころにはできあがっていました。小さいころから、紙を渡すと余白がなくなるまで夢中で描き続けていました。あまりの没頭ぶりに「休ませたほうがいいのでは」と不安になることもありましたが、楽しそうに絵と向き合う美貴を見ているうちに、無理にやめさせると、この子の輝きまで消えてしまうかもしれないと感じて。それで「やりたいようにやらせてあげよう」と、大人の都合で遮るのをやめたんです。
今も、美貴が描いているときは、食事のタイミングなど必要に迫られたとき以外は、邪魔をしないように距離を取っています。2024年にはパリでの展示も実現しましたが、美貴自身は評価よりも「人を笑顔にしたい」という気持ちと、「描くことそのもの」を愛している。その純粋さを守るのが、私の役割だと思っています。