「時計の教え込み」で見えた、親のエゴと娘の拒絶

2024年のフランス・パリでの展示会の様子(Amour Briller MIKI(R))

──「美貴さんのペースを大切にする」という向き合い方にたどり着くまでに、どのような葛藤がありましたか?

 

高田さん:美貴が小学生になったころ、生活リズムを自分でつけられるようになってほしくて、時計の読み方を教えようとしたことがありました。学校の先生が作ってくれた時計のカードを使い、毎日「今、何時?」と声をかけたのですが、美貴はまったく興味を示さず。「時計って何?」といった表情を見せるばかり。

 

そのとき、ハッとしました。私は娘を思っているつもりで、実は「私の安心」のために、自分の価値観を押しつけていただけだったんだ、と。興味がないことは身につかない。でも、興味を持てば、この子は自分から動く。そう信じて「教え込むこと」を手放したとき、初めて本当の意味で「待つ」ことができた気がします。