わが子がダウン症だとわかり、不安の中で子育てをスタートした高田敦子さん。試行錯誤を重ねるなかでたどり着いたのは、「この子のペースを大切にする」という向き合い方でした。その姿勢はやがて、娘・美貴さんの才能を引き出し、パリでの展示を実現するアーティストとしての活躍へとつながっていきます。「待つ子育て」がもたらした変化について、高田さんに伺いました。

わが子の「やりたい」に寄り添うという選択

高田美貴
療育施設で絵を描く美貴さん

── 多彩な色づかいと細やかな描写で、アーティスト活動を続ける美貴さん。その才能を伸ばすうえで、高田さんが大切にされていたことは何ですか?

 

高田さん:特別な教育はしていないんです。ただ、美貴の「やりたい」という熱量に、私は歩幅を合わせるようにしていきました。

 

先生からも「ダウン症の子はゆっくり成長するから、待つことが大切」と言われていたため、美貴に寄り添い、見守り、彼女の意思を尊重することを意識して過ごしました。