「育児」ではなく、明日を繋ぐための「命の格闘」

高田美貴
1歳10か月の美貴さん。このころから絵を描くことが好きだった

── ダウン症の診断を受けたとき、同時に合併症の治療も必要と医師から告げられたそうですね。

 

高田さん:はい。ダウン症の診断と同時に、合併しやすい病気のひとつである「甲状腺機能低下症」だと告げられました。甲状腺の機能が低下して気力や活気がなくなり、代謝の低下や成長の遅れなど、さまざまな症状が現れます。

 

新生児だった美貴は「無気力」とでも言いますか、泣くことはほとんどなく、母乳も飲まず寝てばかり。足の裏をこすって無理やり起こして、なんとか母乳を飲ませていました。 

 

先生から「甲状腺機能低下症の治療が最優先」と治療方針が示されてからは、週に何度も病院に通い、検査をして、甲状腺の機能を保つための薬をもらう。新生児期はその繰り返しでした。毎日が戸惑いの連続でした。それでも、美貴を愛おしいという思いは確かにあって。「私がこの子の命を守らなければ」という意識で日々を必死に過ごしました。