290円のラーメンが、誰かの人生の「一歩」を支える

──「誰もが安く食べられる」という仕組みが、巡り巡って世界の貧困や課題を救うことにつながる、と。

 

澄川さん:私が海外展開でベンチマークにしているのは、イタリアンの「サイゼリヤ」さんです。彼らが中国や東南アジアなど海外に挑戦したのは、「一部の層に占有されているイタリア料理を、多くの人が楽しめるように変えたい」という想いからだったようです。その姿勢に深く共感します。

 

東南アジアには、まだ貧困な暮らしを余儀なくされている人たちがいます。「はかたや」のラーメンが、現地の日常食として広まり、人々の生活を少しでも底上げできれば…。地域に住む人たちの毎日を豊かにするのが、チェーンストアの存在意義ですから。

 

 

「単なる労働力ではなく、夢を持ってきた弟子」。 澄川社長が教え込んでいるのは、ラーメンの技術以上に、一杯の丼から未来を切り拓けるという「希望」そのものなのかもしれません。

 

私たちが何気なく口にしている「安くて美味しい」の裏側には、誰かの情熱や、遠い国へと続く夢が溶け込んでいます。 今日、あなたが受け取ったその一皿の向こう側に、どんな人の「一生懸命」が隠れているか。次に暖簾をくぐるときは、少しだけ想像してみませんか。

 

取材・文:百瀬康司 写真:博多ラーメン はかたや