「身体はボロボロ」3月で引退する本当の理由

── 現在は障害がある子も通えるダンススクールの運営もされていますね。
DAIKIさん:僕自身がかつて、障害を理由にスクールへの入会を断られた経験があるからです。子どもたちには踊り方だけでなく、壁にぶつかったときの「向き合い方」を伝えています。保護者の方から「救われた」と言っていただけるのが、僕自身の救いにもなっています。
── 最近はNHK大河ドラマ『光る君へ』に出演するなど、俳優活動もされています。DAIKIさんの活躍に希望を見いだす子も多いのではないでしょうか。
DAIKIさん:そうだったらうれしいですね。病気を知ってから自暴自棄になっていた時期もありましたが、今は病気に屈したら生まれた意味がないという反骨精神をもとにがんばっています。
ただ、ダンスは身体へのダメージが深刻で、この3月で引退することに決めました。以前から医師に止められていましたが、やり遂げたい一心で走ってきました。でも、ボロボロになって倒れる姿は見せたくない。子どもたちの「希望」であり続けるために、元気な姿のまま一線を退くのが、彼らの未来のためだと考えたんです。
これまではレーシングカーのようなスピードで走ってきましたが、今後は少し歩みを緩め、誰もが不自由なく過ごせる場所づくりに力を尽くしたい。病気に屈するのではなく、自分を「DAIKI」というブランドに高めて、これからも声を届け続けていきたいと思っています。
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「規則だから」というひと言で、誰かの可能性が摘み取られてしまう。そんな場面に、私たちは無意識に加担してはいるのかもしれません。
「できないこと」を数えるのではなく、その先にある「伝えられること」を見ようとする社会へ。DAIKIさんの引き際の決断や、今の社会に感じる「壁」について、あなたはどう思いますか。
取材・文:酒井明子 写真:DAIKI