「規則ですから、実技ができないなら不合格です」。 教員採用試験で突きつけられた非情な宣告。難病「軟骨無形成症」ゆえに教師の夢を断たれた大河俳優・DAIKIさん。絶望の末、消去法で選んだダンスの道で、彼はいかにして「未練」を手放せたのか。身体の限界を理由に「3月での引退」を決意した彼が、今こそ伝えたい社会の壁と、その超え方に迫ります。
「規則ですから」教員採用試験で突きつけられた、残酷な現実

── 骨がうまく成長せず、腕や脚が短い、低身長などになる難病「軟骨無形成症」と闘ってきたダンサーのDAIKIさん。体への負担は大きそうですが、この道を選ばれた理由は?
DAIKIさん:実は、僕の夢は「保健体育の教師」になることでした。小学4年生で自ら検索し、「自分は難病だ」と知ってから自暴自棄に。学校もサボってばっかりでした。でも、中学2年のときの担任の先生が熱心な人で。「見捨てることができない」と、サボっているとどこまでも追いかけてきてくれたんです。当時、その言葉が僕にはかなり突き刺さりました。
塞ぎ込んでいる僕に、理由を察して母すら何も言わなかったのに。その先生だけが僕に向き合ってくれた。「その熱意に応えたい。僕も先生みたいになりたい」と、そこから教師を目指すことにしたんです。
── 強い意志を持ったまま、大学では教職を目指す道に進まれたそうですね。
DAIKIさん:はい。自分のような立場だからこそ、「他人を理解することより、しようと思うことが大切なこと」「向き合い方次第で可能性は広がること」を伝えたかったんです。ですが、その夢は教員採用試験で打ち砕かれました。僕の体ではどうしてもできない実技試験があり、試験官に「できないならダメだ」と告げられたんです。その場で実技ができないのであれば、生徒の前に立っても説得力がないと。
教員免許は持っているし、実技ができなくても伝える方法はいくらでもあるはずなのに。「規則は規則だから」と一蹴されてしまいました。それで教師になるという夢は絶たれてしまい、思い出したくないくらい、すべてがどうでもよくなりました。