「ほんまに寝ぇや」。2週間に一度の電話と、両手いっぱいに抱えた果物──。昨年、フジテレビを退職し、フルーツ事業で起業した永島優美さん。慣れない仕事に奔走する娘を見守り続けたのは、多くを語らない、父・昭浩さんの姿でした。食べきれないほどの果物に込められた、言葉にならない「頑張れ」の形。クスッと笑えて、どこか温かい、不器用な父娘の再出発の物語です。
「両手にフルーツを抱え」不器用な父の愛情
去年、フジテレビを退職。個人事務所とともに、国産の果物の消費量を上げるべく、みずから厳選したフルーツを届けるキュレイテッドフルーツブランド「ORVIIA(オルヴィア)」を立ち上げた永島優美さん。立ち上げに奔走する姿を知った父・永島昭浩さんは、ある行動に出たといいます。
「父は我が家に来る際、『これどうやって食べるの!?』というほど大量のフルーツを袋いっぱい両手に抱えて来るんです。
『これ、食べたら美味しかったから持ってきたで』という話ぶりで、どうやら私がフルーツを仕事にすると知ってから、自分でもいろいろ食べているらしく(笑)。父なりに厳選したフルーツを持ってきてくれるようになりました。
ありがたいものの、さすがに食べきれない量なので、途中からはカットして冷凍しアイスキャンディー風にしたり、スムージーにしたり。すごく不器用な父なのですが、父なりの応援と心配をしているのが伝わってきました」

父がプロのサッカー選手だった幼少期、永島さんの実家の食卓には常に果物が並んでいたといいます。
「父は私が小学2年生頃まで現役サッカー選手だったので、体調管理と体力面のサポートから、母がしっかり食事を作っていました。品数も多かったです。そのなかにフルーツが必ずありました。
父は特にブドウが好きで、一緒に食べていると一房ほとんど食べられてしまって。『もう、またなくなっちゃったじゃん!』と言っていた記憶はあります。日本人のフルーツの摂取量が年々少なくなっているなかで、フルーツを日常的に食べる家ではあったと思います。ここまでフルーツが好きになれたのは、実家の環境もあったと感じています」