「幼少期は、僕の漫画のような幸せばかりではなかった」。家族の絆を温かく描き、日本中を泣かせてきた鉄拳さん。しかしその原風景にあるのは、小3で母を亡くした絶望と、わずか1年後に「再婚」を焦る父への激しい不信感でした。母の葬儀の日、実感がわかないまま電柱に石を投げ続けていた少年。大人には不謹慎に映るその行動も、巨大な「死」から心を守るための、子供なりの防衛本能だったのかもしれません。再婚を望む父と、母との歩幅を守りたかった息子。パラパラ漫画の行間には描かれなかった、あまりに切実な「漫画とは違った」家族の肖像に迫ります。