新しい母が作るスープ「シニガン」と、9歳下の妹

── 父の再婚を聞いたときは、どう思いましたか?
あんりさん:「あ、そうなんだ」くらいでしたが、出会いの衝撃が強すぎて、「お母さんが増える」というより「家族が増えるんだ」と思ったのかな。
── 一緒に生活してみていかがでしたか?
あんりさん:彼女はすごく優しくて気配りができる人でした。私は5人兄弟で初めての女の子だったので、いつも兄のお下がりばかり着ていたんですね。それを見た彼女が可哀想に思ったのか、ときどき私の洋服を買ってきてくれることもありました。日本語はカタコトで、読み書きは苦労していましたが、わからないことは素直に聞いてくれるので、家族ともすぐに馴染んで。私もすぐに好きになりました。
休みの日には、フィリピン料理の「シニガン」という酸味の強い具沢山のスープをよく作ってくれました。祖母から鶏の唐揚げを教わったりして、徐々に日本料理も家族に振る舞ってくれるようになりました。