「パパ、この人と結婚しようと思う」。小学2年生のある日、父に呼ばれて3階の部屋のドアを開けると、そこにはケンタッキーを食べる見知らぬ外国人の女性が──。ぼる塾・あんりさんが語る、元暴走族の父の再婚、そしてフィリピン出身の新しい母との出会いはあまりに衝撃的でした。実母との交流も続くなか、やがて「二人の母」が並んで記念写真に収まり、孫の服を仲良く選ぶようになるまで。世間の「普通」とは少し違うけれど、誰よりもフラットで温かい、あんりさんの「カオスで愛おしい」家族の形を伺いました。
ドアを開けると、知らない女性がケンタッキーを食べていた

── あんりさんが3歳の時に両親が離婚。母とは離れて暮らしつつも、定期的に会っていたそうですね。いっぽうでお父さんは小学2年生のときに再婚されていますが、新しいお母さんとの出会いは、なかなか衝撃的だったとか。
あんりさん:今でも忘れないですね。うちは大所帯で3階建の一軒家に住んでいたんですけど、ある日、2階にいたら祖父に「3階でお父さんが呼んでるから行ってきて」と言われたんです。言われた通り3階に行って、父の部屋のドアをスッと開けた瞬間、いきなり知らない外国人の女性がケンタッキーを食べながらこっちを見てるんです…!あまりの衝撃にすぐドアを閉めて、逃げるように2階に戻りました。
祖父に「知らない外国人がケンタッキー食べてる!」と興奮気味に話すと、祖父が悲しそうな顔をして「嫌だった?」って。嫌も何も状況がわからず混乱していたら、父が降りてきて、もう一度3階へ行くように言われました。そこにはやっぱりさっきの女性がいて。父は彼女を見ながら、「パパ、この人と結婚しようと思う。でも、あんりのお母さんはいつものお母さんだから、パパがこの人と結婚しても、彼女がお母さんになるわけじゃないから」と説明してくれました。
本当は、父と彼女が揃っているところに私が登場する予定だったらしいんです。でも、私が予想より早く3階に着いちゃって、たまたま父が席を外した瞬間に知らない女性と鉢合わせる展開になったようです(笑)。