推しとの対面を機にダイエットを決意し、89キロから48キロまで減量した徳丸奈瑠美さん。逃げてきた自分自身と向き合い続けた1年半。見た目以上に変化を遂げたのは、自分を愛し直せた「心」だったと彼女は語ります。さらにこの物語には、推しとの意外な後日談があって──。矜持を貫いた先に待っていた、もうひとつの奇跡とは。

停滞期も落ち込むことなくダイエットを続けて 

徳丸奈瑠美
小学2年生のころ、家族が自宅にて撮影

── 俳優・佐藤流司さんへの「推し活」をきっかけに、1年半で89キロから48キロへと41キロものダイエットに成功した徳丸奈瑠美さん。推しの公演では、まわりにかわいくてキラキラしたファンが多く、帰りの夜行バスの中で「次こそ今より自信を持って会いに行くんだ」と誓ったそうですね。本格的なダイエットを始めるにあたって、まず何から取り組まれたのですか。

 

徳丸さん:保健師として特定保健指導をしていたので、ダイエットの王道は「食事を整えきちんと運動すること」だとわかっていました。指導の対象になる方々のなかには「忙しいから運動はしない」という方もいらっしゃるんですけど、そのパターンだとなかなか上手くいきません。それに、当時の私は身長158cmで体重が89キロあったので、自分が太ったまま「痩せましょう」と指導することに後ろめたさも感じていました。だから、自分自身でその正しさを実証したいという気持ちも強かったですね。

 

── 知識があるぶん、理論はわかっていても「いざ実践」となると難しさもあったのでは?

 

徳丸さん:過去の失敗を教訓にしました。高校時代にダイエットをしたとき、Excelで細かく数値を管理しすぎて挫折した経験があるんです。その教訓を活かして、今回は「徹底的にハードルを下げる」ことを決めました。管理は毎日スマホのGoogleカレンダーに体重をポチッと入力するだけ。一喜一憂しないよう、数字の流れだけを見て、少しでも減っていれば「私、えらい!」と全力で自分を褒める。ダイエットにおいて「自分を肯定すること」は、何より継続のコツなんです。

 

── 運動については、具体的にどのようなメニューを?

 

徳丸さん:自宅でエアロバイクを漕いでいました。ただ、そのまま乗るのではなく、EMS(電気刺激で筋肉を動かす機器)の腹筋ベルトを巻いてから挑みました。有酸素運動の前に筋肉を刺激しておくと脂肪の燃焼がうながされるという知識を活かしたんです。エアロバイクを漕ぐのは、平日に1時間、週末は合計で1日5時間くらい。ただ、運動によって乳酸が溜まると燃焼の速度が落ちてしまうので、1時間程度で体を休ませながら、取り組んでいました。

 

バイクを漕ぐ音が聞こえると「私はいま大嫌いな運動をしている」と現実に引き戻されてしまうので、推しの歌声をイヤホンで聴いてテンションをあげ、脳に「今は楽しい時間だ」と錯覚させるようにしていましたね。

 

── 運動と並行して、食事の面で何か工夫していたことはありますか。

 

徳丸さん:食器やスプーンをすべて小さくしました。ひと口が小さくなるぶん、料理の風味を大切に味わえるし、大食いも防げます。バイキング用の仕切られたお皿を使って、「ここに乗るぶんだけ」と量を決めて食べるようにしていましたね。

 

── 最初の1か月で8キロ減量されたそうですね。途中で挫折しそうになったことはありませんでしたか?

 

徳丸さん:ダイエットを始めてから半年が過ぎ、10〜15キロ落ちた後に、体重が全然減らない時期が来ました。コンスタントに体重が減り始めたことに脳が気づくと、「飢餓状態だ」と勘違いして、脂肪を蓄えようとするんです。そんな停滞期の仕組みは知っていたので、とにかく動揺しないようにして、それまでのメニューを継続していました。

 

今までと同じように頑張っていても体重が落ちなくなる。保健指導の対象者さんもここで挫折する方が多いのですが、生理周期やホルモンバランスの影響もあるので、とにかく「諦めない、動揺しない」ことが大事なんですよね。

 

── その間、モチベーションを支えたのはやはり「推し」の存在ですか。

 

徳丸さん:そうです!カレンダーにライブの日程を書き込み、その日に着たい理想の服を目の前に吊るしてイメージトレーニングしていましたね。1か月ごとに試着して、最初は入らなかったファスナーがスッと上がったときは、震えるほど感動しました。