知られざる父親、夫としての素顔
──『恋チュン』は今も小さいお子さんにも親しまれている曲とダンスですが、パパイヤ鈴木さんもお子さんがふたりいらっしゃいます。現在は、長女が社会人になられて、長男は海外で勉強されているそうですが、小さいころの子育てを振り返って印象深いことはなんですか。
パパイヤ鈴木さん:娘がまだ小学校に上がる前のころ、私が出ていたドラマを見て泣いていたんですよ。父親役だったので、役で別の奥さんと子どもと一緒にいるシーンを見て、本当のことだと思っちゃったらしいです。「違うよ、これはお仕事でね」と説明しましたけど、ホームビデオか何かだと本気で思ったみたいです。娘は反抗期もありませんでした。

── かわいいですね。息子さんとの関係はいかがですか。
パパイヤ鈴木さん:息子は少し口を聞かないような時期はあったと思いますね。直接聞くのもあれだから、僕のことをどう思っているのか知らなかったんですけど、周りから「パパイヤ鈴木の息子だと言われるのが嬉しい」と言っていると聞いて安心したことはあったね。
息子が高校生のときに、「学校のパーティーでダンスをするから振付をしてほしい」と頼まれたことがあったんです。「俺は高いぞ」って言ったんですけど(笑)。内心、頼ってもらえたことがすごく嬉しかったです。やるからには本気でやろうと思って、周りも巻き込んで本気でダンスを作ったんですけど、ものすごく盛りあがって。本当にいい思い出です。
── お子さんが小さいころに、家族で沖縄に住んでいたと伺いました。
パパイヤ鈴木さん:2012年から7年間、住んでいました。近所づき合いが盛んで、家の鍵も閉めず、玄関開けっぱなしのような生活でしたね。ピンポンとチャイムがなって、「これ作ったんだけど、よかったら食べて」とご近所さんがやってきて、「じゃあ今度はこちらから」とお裾分けをしあうことがしょっちゅうありました。BBQとかも一緒にしてましたね。こういうつき合いが嫌な方もいるかもしれませんが、うちは家族みんな馴染んでいて、肌に合っていました。
── 東京のマンションだと、隣に誰が住んでいるかわからないという方も多いです。
パパイヤ鈴木さん:うちはわりかしつき合いはあるほうで。沖縄に行く前に東京に住んでいたときも、子どもがよく友達を連れてきていました。奥さんに「この子は?」と聞いたら「隣の隣の娘さんみたい」「そうか、こんにちは」とかね。家族で住んでいたときは知り合いが多かったです。
あとは僕、わりと自分から挨拶に行くんですよ。引っ越す前に物件を見ているときも、「ここに住もうと思ってるんですけど、このあたりどうですか」と聞いて歩きます。引っ越したあとも挨拶に行って。でも今の時代、あんまりこういうのはよくないのかなって思って、少し控えてます。
── パパイヤ鈴木さんから話しかけられたら嬉しいと思いますよ!
パパイヤ鈴木さん:気持ち悪くないですかね?じゃあ話しかけてみます。今もマンションの同じ階の方とエレベーターで会ったら必ず挨拶はします。昔のような人づき合いまではいかなくても、そういうことはしていきたいなと思いますね。今は子どもたちがそれぞれ暮らしているので、奥さんと犬との生活です。結婚して今年で25年になりますが、実は奥さんとはバラバラに住んでいた時期のほうが長くて、夫婦で一緒にいられることを奥さんがすごく嬉しそうなんですよ。
── 奥さまが!「亭主元気で留守がいい」とは真逆ですね。
パパイヤ鈴木さん:家族で沖縄に住んでいたときも、僕は東京と福岡で仕事があったので3拠点生活で。東京と福岡では洗濯や料理も全部ひとりでしていて、家族がいる沖縄に帰ると、ようやくオフという感覚でした。その生活を奥さんは「すごく寂しかった」って言うんです。「家にパパがいないとつまらない」って。
こないだも、僕が夕方から出かけるとわかったら、外出していた奥さんが僕に会うために家を出る30分前に帰ってきたんですよ。「あー、間に合った!」って。「パパお団子食べる?」「え?お団子?いらないよ」「でも買ってきたから」「いや、いらないよ」みたいなやり取りをしてますよ(笑)。
── 奥さまかわいいですね。「寂しかった」と言ったことないです(笑)。その素直さを見習いたいと思います。
パパイヤ鈴木さん:今からでも遅くないよ!うちは奥さんとケンカをしたこともないし、奥さんが子どもたちに僕を悪く言うこともないから、それが家族の仲のよさにつながっているのかなと思います。周りから、奥さんが旦那さんの悪口を子どもに言って、「パパ、勘弁してほしいよね」と言っているような話を聞きますけど、そうすると子どもが「父親ってこういうものなんだ」と思ってしまうと聞いたことがあって。今ようやく夫婦で一緒に生活できているし、今まで苦労をかけたぶんもあるから、これからは奥さん孝行ができたらいいですね。
取材・文:内橋明日香 撮影:矢島泰輔