AKB48の新たな歴史を作った大ヒット曲『恋するフォーチュンクッキー』。世界中で踊られた、イントロの「おにぎりダンス」ですが、振付を担当したパパイヤ鈴木さんは当時、この曲でセンターを務めた指原莉乃さんが「何をしたら一番かわいくなるか」を考えていたそう。今だから語れる「名曲誕生」の舞台裏を伺いました。
おにぎりダンスは「曲を聴く前にできていた」
── 振付師として数々のヒット作を生み出してきたパパイヤ鈴木さん。なかでも印象的な振付のひとつが、指原莉乃さんがAKB48でセンターをつとめた2013年発売の『恋するフォーチュンクッキー』です。印象的な振付を覚えていらっしゃる方は多いと思います。
パパイヤ鈴木さん:秋元康さんから振付のお話をいただいてすぐに、イントロのおにぎりダンスといわれるところが浮かんだんです。

曲を聞く前だったのですが、指原さんがセンターになるということで、「何をしたら彼女がかわいいかな」と考えてできたのがあの振りで、これは絶対やろうと自分のなかでは決めていました。指原さんに似合うだろうと思ったんです。
── 誰もがマネをしやすいダンスですよね。
パパイヤ鈴木さん:曲を聞いたらうまくテンポにも合いました。最初に作ったものは、全体的にもっとかわいらしくてアイドルっぽかったんです。秋元さんから、「AKB48やアイドルということに関係なく、小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまで幅広く受け入れてもらえる、昔のソウルダンスのようなスタンダードのものをやりたい」という話があって、そこから作り直して完成しました。
── AKB48のメンバーに、直接振りを教えたのですか?
パパイヤ鈴木さん:AKB48さんに専属の振付師さんがいるので、普通は僕のアシスタントから振付師さんに伝えてもらっていたのですが、たまたま仕事のタイミングが合って「これはいける」となり、直接振りをお伝えしたんです。
「1回やってみようか」と試しに踊ってみたら、みんな一発でできたんですよ。僕は振付を直したことがなくて、多少違っていてもそれはその人の味だと思っています。ダンスに正解はないと思っていますし、個性を出すくらいのほうがおもしろいと思いますね。
「あれ?ひとり逆の人がいる」くらいの方がおもしろいなって。逆の子はいませんでしたけどね(笑)。おにぎりのところの振りは「りんごを磨くようにやってください」と伝えたのですが、いつの間にかAKB48のみなさんのなかで「おにぎり」という名前がついたみたいで、そこからおにぎりダンスとして親しんでもらえました。
── 10年以上前の曲ですが、今もSNSで若い世代の方が発信したり、幼稚園や保育園の運動会のダンスとして使われたりすることも多く、まさに秋元康さんが目指していた幅広い世代の方に受け入れられていることがわかります。
パパイヤ鈴木さん:昔の曲が流行っているということもありますし、何より、初めて聞く人にとってはいつの時代の曲も新曲なんですよね。若い世代の方は「新しい」という感覚で親しんでもらっているんだと思います。小さい子であれば、生まれる前にできた曲ですから、なおさら新鮮味がありますよね。