年を重ねていくとできることが減り、できないことが増えていく。体力も気力も落ちていく…と思いがち。でも、歌手のイルカさんは真逆の考え方。「(人生における)デザートみたいな時間」と、とらえているようです。

年をとった先にあるのは衰えでなく「デザート」

── シンガーソングライターとしての活動に加えて、絵本や着物の創作、客員教授として大学の教壇に立つなど、年齢とともに表現の幅を広げてきたイルカさん。世間では年齢を重ねることを後ろ向きにとらえる声も多いなか、イルカさんはどこか軽やかで楽しそうに見えます。

 

イルカさん:私が長年パーソナリティを務めている『イルカのミュージックハーモニー』(ニッポン放送)でも、以前は「もうすぐ還暦になってしまう…」といった、年齢をネガティブにとらえるようなお便りがとっても多かったんです。

 

でも、私は「人生はフルコースの料理のようなもの」と思っていて。幼少期からおばあちゃんになるまでをコース料理に当てはめると、還暦はメインディッシュを食べ終えたあたり。でもね、まだ終わりじゃないんです。最後にとっておきのお楽しみが残っている。そう、デザートです。だから還暦以降は「デザート世代」だなって。そこで生まれた歌が「人生フルコース」です。

 

イルカ
18歳のときに出会い、初めてつき合った相手が和夫さんだった

── “デザート世代”、素敵な響きですね(笑)。

 

イルカさん:コンサートでもみなさんにこのお話をすると、ワッと拍手が起こるんです。デザートって甘いものでも酸っぱいものでも、自分の好きなものを選べるでしょう?それと同じで、還暦を過ぎると、これまで背負ってきた役割を少しずつおろして、若いころにやりたかったことを自分のペースでやれる時間がやってくるんです。

 

それまでは家族の世話に追われたり、仕事でも重圧を感じて大変だったりするけれど、デザートの時間になったら、そんなしがらみを脱ぎ捨てて、自分らしくいられる。しかも今は、人生100年時代。その時間は意外と長いんですよ。