2024年9月にアナウンサーとして働いていたテレビ東京を退社して、中国の大学院に留学をした池谷実悠さん。日中通訳の専攻で、日々、勉強に明け暮れていたそうです。卒業が6月に迫るなか、今後の展望はというと──。
トイレが流れず壁が剥がれてくる寮生活も「貴重な体験」
── 現在留学されている中国の大学院は、授業に加えて膨大な宿題が出るなど、かなりお忙しいようですね。日本との違いも多そうですが、日常生活ではいかがでしたか?
池谷さん:大学院の寮で暮らしていたのですが、日本の環境に慣れている人は、中国では生活できないかもしれないです。たとえば部屋のトイレが、昼しか流せなくて。タンクに水がたりなくなってしまうのか、寮に人がたくさんいる朝と夜になると流れなくなるようで…。しかも、なぜか私の部屋だけ(笑)。
それ以外にも、電気のスイッチが急に外れたり、シャワーの蛇口が取れたり、壁が剥がれてきたりは日常茶飯事でしたね。でも、絶対ここでしかこんな体験できないですから、おもしろがっていました。「これぞ中国!」みたいな。

── 私なら、日本に帰りたくなるかもしれません…。
池谷さん:そうですよね。その気持ちもわかります。それでも、現地の学生よりは環境がよかったんです。中国人の子は6人1部屋で、洗濯機の台数が少ないから手洗いする日も多くて、トイレも共用だけ。私たち留学生は2人1部屋でしたし、申し訳なくなるくらいその子たちよりも環境がよくて…。
激しい受験戦争を勝ち抜いて6人1部屋で生活してるのに、留学生が2人部屋で生活してるって、普通だったらムカつくじゃないですか。それなのにみんな、すごくやさしいんです。私の周りでは、日本人だからと嫌な思いすることもなかったですし、本当に恵まれていたなと感じます。
── やさしい人たちに囲まれていると、勉強も頑張れそうです。ちなみに、会社員を辞めて大学院に通うとなると、金銭面が大変そうですが…。
池谷さん:それが意外と大丈夫で、お金で困ることはほとんどなかったですね。中国って、食べ物がすごく安いんですよ。日本でいうUberみたいなサービスがあるのですが、セール中のお店で買うと、お弁当が200円くらい。学食もめちゃくちゃ安くて、丼に大盛りの白米が10円だったんです。それを買ってふりかけをかけたりお茶漬けにしたり、たまにUberで大きいおかずを頼んで、みんなで分け合ったりしていました。
── ごはんが10円とはビックリです!
池谷さん:それ以外のものも、ネットで買えばだいたい安かったです。日本でもSHEINが安くて流行っていますが、洋服とか雑貨があれくらいの値段で売っているサイトがあって、生活に必要なものはそこで買っていました。そのおかげで、寮をDIYで改造することもできました(笑)。
── 寮を改造!?
池谷さん:はい(笑)。トイレが昼しか流れない事件があったとき、寮の人が見に来るのが昼だから、毎回流れるんです。だから信じてくれなくて「なんで嘘つくんだ」と疑われて…。それに腹が立ったので、パナソニックの温水便座を買って、自分で業者を呼んで直してやろうと思って。来てくれた業者の人の方言が私には聞き取りづらい部分もあったので、中国人の子が一緒に立ち合ってくれて。トイレのタンクも、中の部品をネットで買って自分で直しました。
── ものすごいバイタリティですね!
池谷さん:「怒り」もひとつの原動力になるのかもしれません(笑)。ほかには、壁が剥がれてくるので、上からシートを貼って崩れないようにしたり、トイレとシャワーの間に仕切りも作りました。床が繋がっていたので、シャワーを浴びるとトイレまでびしょびしょになっちゃうんですよ。なので、自分でゴムパッキンのようなものを買って接着剤で床につけて、パーテーションみたいな仕切りを作って。そういう材料も安かったので、お金をかけずにできました。