『キングダム』から中国に興味をもち…価値観が一変した出来事

── 離れ離れではなかったんですね。番組やSNSで「ノロケ」を拝見していたので安心しました(笑)。そもそも、中国留学を志したのはどうしてですか?

 

池谷さん:大学で中国史のゼミに入って、マンガ『キングダム』とかを読むようになって中国に興味を持ちました。そこから、卒論を書くために初めて実際に中国に行って、今まで描いていたイメージとまったく違う中国の姿に触れたんですよね。

 

── どんなギャップがあったのでしょうか。

 

池谷さん:そのとき行ったのが、いわゆる観光地ではなく「南京」だったんです。南京は、歴史認識問題によって、日本に対する感情が強い地域だと言われているんですね。だから、日本人が歓迎されないであろう土地に、言葉がわからないまま行くことに不安があって…。でも、そこで出会ったおばちゃんが「日本から若い子が来てくれてうれしい!政治のことは抜きにして、仲よくできたらいいな」と言ってくれたんです。それを聞いて、今まで中国の人に対してマイナスなイメージを抱いていたことに罪悪感を覚えました。何も知らないまま苦手意識を持っていたと気づいて…。

 

当時、アナウンサーを目指していたこともあって、自分の目で見たこととか、自分の言葉で会話して得たものは、自分の中ではいちばん真実に近いし、すごく価値のあるものだと感じたんです。それで、自分の言葉で会話をできるようになって、中国を深く知りたいと思い、中国語の勉強を始めました。

 

── 素敵な経験をされたんですね。その後、テレ東に就職したものの、改めて大学院で学び直すことにしたのはなぜでしょうか?

 

池谷さん:就職してからも中国語の勉強は続けていたのですが、独学だったので読み書きは上達してもなかなか話せるようにはならないんですよね。なので、話せるようになるには「環境を変えないと難しいのかな」と、ずっと考えていました。

 

そんなころ『日経テレ東大学』というネット番組に出演したとき「アナウンサーとしての価値を高めるには、自分の好きなことをかけ合わせて希少価値を高めるべき」と教わりました。それで、中国語を突きつめてみたいと思って。そのために、実際に現地で生活しようと決意しました。それに、いつかは結婚もしたいし子どももほしいと考えると、人生設計上「今しかない」と。

 

── その時点ではどのくらい中国語を話すことができたのですか?

 

池谷さん:全然しゃべれなかったです(笑)。いちおうHSKという中国語の資格は、6級まであるうちの5級(上から2番目の難易度)は取っていました。でも、アウトプットをする習慣がないので、聞き取れても言葉を返せないんです。頭の中に単語があるけど、整理して文にして口に出す訓練が全然できていなくて…。