30年支持され続ける理由

── スマホが登場してから、いつでもどこでも簡単に撮影することができるようになったと思います。スマホのカメラや、カメラアプリとの差別化についてはどうお考えですか。

 

門脇さん:スマホは手軽に何気ない日常を残すことができるのですが、プリントシール機では、撮影から落書きまでの過程を一緒に体験でき、思い出として残ることが大きな違いだと考えています。ユーザーインタビューでも、新学期に新しく友達ができて初めて遊ぶ時に撮ると、一気に仲が深まるという意見が聞かれました。撮影の楽しさを重視した機種も登場していまして、例えば「EVERFILM」は、テーマを選択し、プロジェクターに映し出された世界観に没入しながら撮影を楽しめる体験型の機種になっています。

 

2024年登場の「EVERFILM」のプリ画
2024年に登場したプロジェクターが投影した背景で撮影できる「EVERFILM」

── 1995年の登場以来、長年プリントシール機が支持されている理由はなんだと思いますか。

 

門脇さん:いつの時代も変わらない女の子の欲求を、時代によって変化しながら叶え続けていることだと考えています。かわいいという価値観は変化していくものの、その時代にあったかわいさを追求した写りが、女の子たちの自信に繋がる自己肯定感を高めていると思っています。また、ポーズもそうですが1枚1枚に自分たちらしさを詰め込むことで、自己表現欲求を満たしていることも影響していると思います。どの時代においても友達と楽しい時間を共有し、思い出に残したいという思いは変わらず、共通体験を通して友達と繋がり、友情を深め合うツールになっていることが、長年愛されている理由だと考えています。

 

── 誕生から30周年を迎えましたが、今後プリントシール機をどのように展開していきたいと考えていますか。

 

門脇さん:いつの時代も変わらないコミュニケーションツールとして、今後も時代に合わせた進化をしていきたいと思っています。ここ数年はやはり顔を盛るだけというイメージが強い方もまだまだ多くいらっしゃるので、本来の魅力が伝わりにくくなってしまっていると感じています。弊社としては、現在、プリントシール機を楽しんでくださっている方はもちろん、過去に一度でも撮影を経験したことがある方も、まだ経験されていない方にも、全ての方に楽しさや魅力を伝えていきたいと思っております。

 

取材・文/内橋明日香 画像提供/フリュー株式会社