私の言葉が、誰かの「眠れない夜のお守り」になれたら
── 昨今のSNSでは、芸能人の加齢や見た目について心ない言葉が飛び交っています。酒井さんはSNSの言葉で傷ついたことはありますか。
酒井さん:30代のときは傷つくことがあったかもしれません。というのも、30代の半ばのころ、それまで10年以上つけていたまつ毛エクステを外したんです。俳優としてさまざまな役をいただくようになり、たとえばシングルマザーや生活に苦労している女性、時間に追われている女性を演じるときに、まつエクをしている自分に違和感を覚えるようになって。自分の見た目よりも俳優として演じることを優先しようと思ったためです。その結果として、SNSで「老けた」、「劣化した」という声をかけられたことはあります。
でも、この仕事をしていると誰もがそのような言葉を浴びる経験はしていると思います。今はもう、なんとも思わなくなりました。

── SNSでさまざまな言葉を受けるいっぽうで、酒井さんご自身は発信する立場でもありますよね。これまでの活動のなかで、自分の言葉が誰かにとって支えになったと実感したことはありますか?
酒井さん:2012年に『心がおぼつかない夜に』というエッセイ集を出しました。この本が「眠れない夜のお守り」として、口コミで広まっていったという経験があります。出版から長い年月を経た今も「酒井さんのおかげで、あのつらい時期を乗り越えられました」と声をかけていただくことがあるので、とてもうれしいです。
現在はおもにYouTubeで「眠れない夜のお守り」になるような動画を出せるように努めています。私のチャンネルの視聴者さんは、繊細な方や苦しい思いをしながら日々を生きている方も多いんです。これまでの執筆活動ではそういう方々に向けて書いてきたのですが、ありがたいことに私の声質を「好き」と言ってくださる方も多いので、みなさんの生きづらさやつらい気持ち、悲しみなどがほんの少しでも緩んだり、やわらぐといいなという思いで続けています。