「しゅはまさんが出ないと意味がない」恩人からの電話で決意
── そんな生活から抜け出せたきっかけは何だったのでしょうか?
しゅはまさん:正直、当時の私のなかには1ミリも抜け出したい気持ちはありませんでした。当時所属していた事務所にも「仕事は当分しません」と伝えていたんです。ところがあるとき、「事務所に所属している役者が全員出る舞台があるから出てほしい」と社長から電話がかかってきて。でも、いったんはお断りしたんですね。そしたら、その舞台の演出家だった山内ケンジさんから直接お電話をいただいて。
山内さんは私が23歳のときに出演したTBCのCMの監督で、それ以降も何度か舞台やCMにご一緒させていただいていて。その山内さんが、「今度やる舞台は、しゅはまさんが出ないと意味がないと思いますよ」と言ってくださったんです。

── TBCのCMとは、エステに出かけたしゅはまさんが、ナオミ・キャンベルさんになって帰ってくるCMですよね。とても印象的でした。
しゅはまさん:そうなんです。私にとって、山内さんは恩人のような方で。必要としてくれる人がいるんだ、と素直にうれしかったですし、お世話になっている山内さんに言われたら「出なきゃさすがに申し訳ない」と思って。それがきっかけで、ひきこもり生活は終了しました。35歳くらいのときですね。
── そこから7年後、しゅはまさんは映画『カメラを止めるな!』でブレイクするわけですが、この復活劇がなければ今のしゅはまさんはなかったんですね。
しゅはまさん:それは間違いなくそうですね。その後は自然に舞台の世界に戻れました。本当に山内さんからの電話のおかげです。
…
結婚・離婚を経験したしゅはまさんですが、バラエティ番組の出演を機に51歳で再び婚活をスタート。きっかけとなったのは、カリスマ婚活アドバイザーの植草先生からの「あなたはかわいそう」という言葉だったそう。番組をきっかけに結婚に前向きになったしゅはまさんは、2年以内の結婚を目標に婚活と向き合っています。
取材・文/市岡ひかり 写真提供/しゅはまはるみ、エイベックス・マネジメント・エージェンシー