6年つき合った“彼”と4年間の結婚生活を経て、揉めに揉めたのち離婚した経験をもつ、俳優のしゅはまはるみさん。元夫との暮らしで人との些細な会話さえストレスに感じるようになり、離婚後しばらくは引きこもりの毎日を送っていたそう。そんなしゅはまさんを芸能界復帰へと導いたのは恩人からの電話でした。
「楽しい気持ちに水を差された」ガマンの糸が切れた瞬間
── 17歳で俳優としてデビューし、周りからも期待されていたしゅはまさん。ところが、交際中だった男性のひと言で24歳で俳優を引退したそうですね。その後、その男性と29歳のときに結婚も、4年後離婚に至ったと聞いています。彼は謝罪文を100枚書かせてくるような人だったそうですが、離婚のきっかけは何だったのでしょうか?
しゅはまさん:24歳で一度俳優を引退したんですが、細々と舞台の手伝いは続けていました。そうやって舞台と接しているうちに、やっぱり役者っていいなと思い始めて。結婚する際に夫にかけ合い、舞台俳優としての活動は許してもらえたんです。

当時の小劇場の世界って、稽古や本番後に共演者やお客さんと一緒に飲みに行くことが多かったんですね。でも彼は以前から、私が飲みに行くと「よその妻はそんなに飲み歩かない」と不機嫌になるタイプでした。当時は私も「たしかにそうかもな」と感じていたところがあり、稽古中の飲み会は参加せず、本番中のお客さんとの飲み会だけは参加する、と決めていました。「お客さんと飲むのは営業みたいなものだから、そこだけは許して」と夫を説得したんです。
ところが、ある日、芝居とは関係のないアルバイト先の飲み会に初めて誘われて。普段、舞台以外の人と飲みに行くことがほとんどなかったので、すごくうれしくて「アルバイト先の飲み会だから行ってくるね」と出かけたんです。
── 久しぶりの息抜きだったんですね。
しゅはまさん:そうなんです。楽しくてつい遅くなってしまい、「23時には帰る」と言っていたのが結局、終電で帰ることになっちゃって。彼に「終電で帰るよ」と連絡したところ、超ブチぎれメールが返ってきました…。その瞬間、急に「なんかもう嫌だな」ってなったんです。自分にとってその日は普段とは違う仲間との滅多にない楽しい時間だったんですよ。なのに、この人はいつだってこんなふうに水を差してくるんだ、と思ったら、突然、すべての扉が閉じてしまった感じになって。その日のうちに「帰ったら話がある」とメールして、「離婚したい」と伝えました。
── 重ねていたガマンの糸が切れてしまったんですね。話し合いはスムーズに進んだのでしょうか?
しゅはまさん:いや、まったくスムーズではなかったです(笑)。その日、家の中で話すと何をされるかわからないと思ったので、彼を公園に呼び出したんです。人の目があるところで話したほうがいいだろう、と。でも、2〜3時間話しても話が収まらず、翌日以降も話は堂々めぐり。「これは私が家を出ていくまで終わらないかも」と悟りました。
当時は、次の舞台の出演が決まって、稽古が始まる直前だったんです。なのに、プライベートでは彼との話し合いが連日朝まで続き、いつ終息するか見当もつかない状態。稽古に通いながら毎晩朝まで彼と話し合うなんて無理だ、と思い、迷惑をかけないよう舞台は降板させてもらいました。