プロポーズもないまま、流されるように結婚するも

── そんな状態で6年ほど交際が続き、ご結婚されたわけですが、迷いはなかったのでしょうか?

 

しゅはまさん:結果的に、流されるまま結婚してしまった、という感じでした。自分の両親がずっとケンカしている家庭で育ったこともあって、「家族」というものにコンプレックスがあったんです。彼のご両親はすごく明るくて、いい意味であけすけで。私のことを娘のように受け入れてくれたので、彼のご両親のことは大好きだったんです。

 

一度、勇気を出して彼に別れ話をしたんですよ。でも「別れたくない」と引き止められて「いったん冷却期間を置こう」と説得されたんです。それでも私は離れるつもりだったんですが、その期間中に彼のお父さんがトラブルに見舞われてしまって…。

 

── え、お父さんがトラブルに?

 

しゅはまさん:そうなんです。私は気丈に振る舞うお母さんが心配で、一緒に解決策を練ったりしていたんですが、たぶん彼としてはそれで「復縁した」と思ったんでしょうね。3週間くらいして無事に解決して、「はるみちゃんもいろいろお手伝いしてくれたから、お礼に食事でも」となった席で、お父さんが「なんでそんなに仲がいいのに結婚しないんだ」と言い出して。そうしたら彼が突然「年内に結婚するから」と。私は「えっ?そんなの聞いてないし、プロポーズもされてないし…」と思ったけど、また「もの言えぬ私」が発揮されてしまい…。あちらのご両親の前だったというのもあって結局、結婚することになりました。

 

── そこでまたもや「断れない性格」が出てしまったんですね。

 

しゅはまさん:そうなんです。でも、あまりにも流されすぎている自分もどうかと思い、結婚の条件として「お芝居に復帰したい」ということだけは受け入れてもらって。それで、無事に舞台に復帰できました。

 

そうやって彼と結婚し毎日一緒に過ごすなかで、ポンコツな部分を垣間見るにつけ、「コイツ、別に大したことないかも」と思うようになって。「この人、そこまで怖がることないんじゃない?」と弱気な気持ちが徐々に減っていったんです。それで、「これはおかしい」と思ったことに言い返したり、一度空のペットボトルを投げ返したりして反撃したこともありました。

 

 

なし崩しに始まった結婚生活は、長くは続きませんでした。4年後、壮絶な話し合いを経て離婚したしゅはまさんですが、10年間をともにした相手への思わぬ喪失感で、それからの半年間はドラマ漬けのひきこもり生活を送ることに。人間関係に疲れきり「ずっとこのままでいい」とさえ思っていたものの、ある人からの1本の電話で外の世界に引き戻されます。「その電話がなかったら、もう俳優はやっていなかったかも」と、電話の主に今でも感謝しているそうです。

 

取材・文/市岡ひかり 写真提供/しゅはまはるみ、エイベックス・マネジメント・エージェンシー