大切なのは対話で状況を知っておくこと

── 2025年には結婚式を挙げられました。思い出に残るエピソードがあれば教えてください。
川﨑さん:明治記念館で結婚式をしましたが、プランナーなどは入れずに、私たちと友人たちで考えたアットホームな式と披露宴にしました。というのも、夫の母はもう90歳で、京都から東京にわざわざ来てもらうので、家族で過ごす時間が多くとれる、思い出に残る結婚式にしたいなと。それで披露宴の台本も夫が書いて、写真も友人にお願いするなど、温かみのあるものにしたんです。
夫のお母さんのメイクは舞台でメイクをするのが慣れている夫が担当し、ネイルは私が施しました。夫は結婚式では泣いていたし、私の家族もすごく喜んでくれて、素敵な時間になったと思います。
── 結婚生活がスタートして、21歳の歳の差を感じることはありますか?
川﨑さん:そこまで歳の差を感じることはないのですが、私が怒っても反論してこないところが、やっぱり年上の余裕なのかなと思うことはあります。ケンカをしても次の日に引きずるようなことはないですね。
ただ、夫は最近、体力が少し落ちて疲れやすくなった気がしていて。その辺りは少し歳の差を感じます。以前にストレスから機能性発声障害になったのですが、それは今も完治していません。調子が悪いときはいまだに声が出ないときもあるので、今後もうまく共存していく必要があります。前よりは外的ストレスを真正面から受け止めず、気持ちの切り替えができるようになってきたので、今後も寄り添ってサポートし続けられればと思っています。
── 今後、ふたりでやってみたいことはありますか?
川﨑さん:実はふたりとも釣りが好きで、夫が小型船舶免許を去年取りました。なので、一緒に船で釣りに行って、釣った魚を私がさばいて、お寿司を握るのが得意な夫にぜひお寿司を握ってもらって、ふたりで食べたいです。
── すごく仲のいいおふたりなんですね。
川﨑さん:ふたりの間で対話することを、すごく大切にしています。状況がわからないと、困ったことがあってもお互い助けてあげることはできません。コミュニケーションが減ると、相手に無関心にもなっていくので。なので、起きている間はずっと話をして、マメにいろいろなことを報告するようにしています。
…
いまでは落ち着いた生活を楽しんでいる花音さんですが、これまでにお父さま、叔母さまの友人、叔母さまの3人の介護を経験してきました。叔母さまの介護のときは麻世さんもサポートをしてくれて、非常に心強かったそう。お父さまの介護では後悔もあったそうですが、その経験から叔母さまに対しては後悔のない介護ができたそうです。
取材・文/酒井明子 写真提供/川﨑花音