「まあ、なんとかなる!」の精神で

ノッコン寺田と嫁コン
下の双子の卒園式にて

── その後はブレイキングダウンにも出場されて、話題になりましたね。

 

嫁コンさん:ブレイキングダウンのときは、夫は出場を自分で決めてきました。事前の相談はなかったですね。試合当日は「心配をかけるから見ないでほしい」と夫が言うので、家族は試合を見ていなかったんです。でも、さすがにボブ・サップ戦は見たくて、子どもたちと自宅で観戦をしました。会場に行くとプレッシャーになると思ったので、家族全員で自宅で応援して、勝ったときは大喜びでした。

 

── 素晴らしい活躍でしたよね。

 

嫁コンさん:その後、飲食店の経営でお金を持ち逃げされるなど大変な時期がありました。でも、どんなに大変なときでも、夫は家族に心配をかけないようにいつも明るく振る舞うんです。何もなかったかのように。もちろん心配ではありましたが、私は今までも何かあるたびに必死にはいあがってきた夫をずっと見てきました。精神的にとても強い人なので、何かあるたびに心配しつつも、「まあ、なんとかなる!」という気持ちで見守っています。

 

── ノッコンさんのことを信頼しているんですね。

 

嫁コンさん:そうですね。お金のトラブルがあったときも、夫に問いただしたり聞き出したりすることもなかったです。私は家で節約したり、子どもと楽しく過ごしたり、家の中を明るくして、みんなを前向きにすることを心がけていました。特別なことはしないで、とにかく「なんとかなる!」と思って、子どもたちと楽しく過ごすことを考えていました。

 

── 嫁コンさんもポジティブな性格なんでしょうか。

 

嫁コンさん:いえ、私はもともとネガティブな性格だったんです。考えすぎてしまうタイプで。でも、夫の底抜けにポジティブで明るい様子を見ていると、「なんとかなる」という気持ちが自然と沸いてくるんですよね。一緒に生活するなかで、ポジティブさがうつったんだと思います。私は、長男を妊娠する前に5回流産をして、その後死産も経験しました。とても苦しく辛い経験だったのですが、そこから「生きているだけで奇跡」と思うようになりました。子どもたちにもいつも「いてくれてありがとう」という気持ちでいます。

子育てで多くのことを望まなくなった

── 元気でいてくれるだけで嬉しいという気持ちですね。

 

嫁コンさん:流産や死産を経験したこともあって、子育てで多くのことを望まなくなりました。家族やきょうだいで仲よくいること、友達と楽しく元気に遊んでくれているだけで十分です。あとは、子どもたちがそれぞれ好きなことさえ見つかれば、人生は楽しくなると思うんです。好きなことがあれば、努力もできますよね。嫌なことって無理やりさせても身につかないですから。私も夫も同じ考えなので、無理強いはせず、伸び伸びと大きくなってくれればそれでいいと思っています。毎日バタバタしながらも楽しく過ごしています。

 

── 肩の力を抜いて、おおらかな気持ちでいるのがいいのかもしれませんね。

 

嫁コンさん:そういう意味でも夫には感謝しています。精神的にもいつも支えてもらっていて、存在が心強いんです。大家族だからこそ、全員で協力して毎日を過ごしています。もちろん大変なこともありますが、やっぱり子育てが楽しいんです。だから、動画などで「子育てって楽しいよ!」と発信して、子育てをがんばっているママパパたちと一緒に、みんなで前向きな気持ちになれたらうれしいですね。

 

 

6人の子どもを育てながら、夫の挑戦を支え続けてきた嫁コンさん。その根底にあるのは、「好きなことをやってほしい」という想いと、家族への揺るぎない信頼でした。大変なこともあるけれど、家族みんなで協力して楽しく過ごす。そんなノッコン一家の日常から今後も目が離せません。

 

取材・文/大夏えい 写真提供/嫁コン