豪華俳優陣と共演した映画撮影現場で見つけた俳優への夢
── 芸能界へはいつ、どんなきっかけで入ったのでしょうか?
ユージさん:順番が前後しますが、中学生のときにすでにモデルとしてデビューしていました。母がモデルの仕事もしていた関係で、子役のモデルが必要だったときに、当時中学1年生で小柄だった僕を撮影現場に連れて行ったんです。そのままモデル事務所に登録され、オーディションの案内が来るようになりました。
中学2年生のときに映画のオーディションがたまたまあり、演技経験はないけれど受けてみたら採用され、いきなり俳優デビューということになりました。監督は黒沢清さん、主演がオダギリジョーさんで、浅野忠信さん、藤竜也さんら豪華キャストが出演する『アカルイミライ』という映画で、カンヌ国際映画祭に出品されるような作品に参加させてもらったんです。撮影現場は本当にワクワクして楽しくて、将来は本格的な俳優になりたいと思いました。そのいっぽうで、中学時代は絶賛大荒れ中のヤンキー時代でもあったので、芸能の仕事をがんばりたい自分と、地元の仲間と遊ぶ自分との違いに葛藤がありました。
── 俳優活動を楽しむユージさんを見て、お母さんはうれしかったのではないでしょうか?
ユージさん:映画撮影の後、母に「俳優になりたい」と言ったら喜んでいました。すっかりグレてしまった息子が、初めて夢中になれるものを見つけた、という感じで。そこで母が、いまの事務所はモデル事務所だから、俳優になりたいならもっと映像作品に強い大きな事務所に移ったほうがいいと提案してくれ、高校1年生のときに現在の事務所、レプロエンタテインメントに移籍しました。
── 高校生になってもヤンキーを続けていたのですか?
ユージさん:そうなんです。しかも、建築現場の仕事をしながらひとり暮らしをして、稼いだお金でバイクを買って乗り回していました。だから、映画を撮っていた中学2年生のときのようなキラキラした俳優への憧れも薄れかけてしまい、事務所を移籍しても全然やる気がなく、オーディションの案内をもらっても参加しないような日々でした。
ただ、TVドラマ『ごくせん』の続編・第2シーズンが始まるにあたり、僕の見た目がハマりそうだからオーディションに行ったほうがいいと事務所から言われ、ヤンキー役ならおもしろそうと思って受けたところ、合格したんです。高校2年生のときでした。
── 本物のヤンキーですもんね。でも『ごくせん2』には出演されていませんよね?
ユージさん:せっかく合格したのにバイク事故にあい、急きょ降板しました。事務所にも、『ごくせん2』を放送する日テレさんにも、とにかく多くの方に大きな迷惑をかけてしまいました。当然、多方面からお叱りを受けて、また怒られる人生に逆戻りだな、芸能の道は断たれたな、と思いました。