登山家の野口健さんを父に持つ絵子さん。小学生で登山を始め、現在は世界の山々の登頂を続けるほか、ミスコンテントなどにも積極的に挑戦をしています。しかし、幼少期は引っ込み思案な性格だったそう。変われたきっかけはやはり「山」と「父」でした── 。
「山に行けばお父さんと話せる」
── お父さんで登山家の野口健さんと一緒に登山をされていて、中学生でキリマンジャロ、高校生でヒマラヤデビューし、今年も標高6476メートルのメラ・ピークの登頂に成功しました。登山を始めたのは、お父さんから誘われたことがきっかけだったそうですね。
野口さん:私が3歳のとき、父が久しぶりに家に帰ってきて、また家を出るときに「おじさん、また遊びに来てね」と言ったそうなのです。

父は昔から忙しい人で、年に数回はネパールに遠征に行っていましたし、講演で全国を回っていました。私は父のことをおじさんと言ったのは覚えていないのですが、家にいない時間が圧倒的に多かったので、父親というよりたまに帰ってくる人という感じだったのかもしれません。父は、自分が父親だと認識されていないことにショックを受けて、そこから私を山に連れて行くようになったと聞きました。
── 登山は小さいころから好きでしたか?
野口さん:最初は好きではなく、むしろ嫌いでした。山に登るのは大変でつらいというシンプルな理由からだったのですが、当時は山のおもしろさがまだ理解できていませんでした。でも父と一緒に過ごせる唯一の時間が山だったので、父から誘われたら「行くしかない」と思っていて、子どもながらに使命感を持って登っていました。それに「山に行けばお父さんと話せる」と思って楽しみにしていた部分もありました。
── 現在、「第58回 ミス日本コンテスト2026」に挑戦されていて、人前で話す機会も多いと思いますが、小さいころはどんな性格でしたか。
野口さん:今とまったく性格が違っていて、引っ込み思案だったと思います。人前に出て発言することも、何か新しいことに挑戦するのも好きではありませんでした。ひとりで家のなかで遊ぶことが好きで、家に父や母の知り合いが来てもきちんと挨拶ができずに母の後ろに隠れているようなタイプです。でも、山に登るようになってだんだん変わっていったと思います。