吉本興業の美容番長として、美の知識を発信し続けるお笑い芸人・シルクさん。あるとき「セクシーなキャラで番組に出てみないか?」と声をかけられたことをきっかけに、新しいキャラクターへの扉が開きました。
「姉さん、絶対おもしろいですよ!」

── シルクさんは漫才コンビ「非常階段」として活動していた最中、相方のミヤコさんが他界しました。そのショックから顔面麻痺を発症し、体調を整えようとフェイスエクササイズなどの美容法を取り入れたことが、後に“美容番長”と呼ばれるきっかけとなりました。美容番長として一人で活動するようになってからは、どのような転機がありましたか?
シルクさん:ピンになってから大きな転機になったのは、『あらびき団』(TBSテレビ)への出演ですね。MCを務めていた藤井くんが「姉さん、セクシーキャラで出たら絶対おもしろいですよ!」と言ってくれたんです。「わかった!やってみる」と、軽いノリで出演しました(笑)。
ちょうどショーパブを経営している知り合いがいて、そこで実際にダンサーの女の子たちが着ている豪華な衣装を借りました。結果、おもしろいと大きな反響をいただきました。
── その後、活動に大きな変化はありましたか?
シルクさん:当時は美容家としての活動に力を入れていたのですが、心のどこかで「芸人としてもまだがんばりたい」という気持ちが残っていたことを思い出しました。そこから、セクシーな衣装でテレビに出る機会が増えるようになりました。
それを転機に、美容に関するスタンスも変わりました。それまではあくまでも「美容家」として活動していたんです。でも、自分だからこそできる美容活動があるのではと考えるようになりました。「ちょっと笑える人」が美容を伝えるのもおもしろいと思うようになったんです。
── お笑い×美容は、たしかにシルクさんにしかできない活動ですよね。
シルクさん:笑える人が美容を楽しく伝えるというのが、自分の強みだと思ったんです。そうしたら、自分の軸ができて活動がブレなくなりました。おもしろく楽しく美容を伝えていこうという思いです。
美容については「やせていればいい」「若ければいい」という考え方ではありません。何より健康で、楽しく生きることが大事だと思っています。シワだって、自然にできたものはチャーミング。なんでも医療に頼って隠すのではなく、健康的な“味のあるシワ”はむしろ大歓迎です。