コンサートは「命と罪に向き合う」場所に
── 刑務所が主な活動場所になり、意識することはありましたか?
Megumiさん:最初のうちは「楽しんでもらいたい」という気持ちだったんです。でも回数を重ねるうちに、それだけではたりないと思うようになって。刑務所にいるのは罪を犯した人たちです。ということは、その人の行為によって傷ついた被害者がいます。コンサートを通して、受刑者の人たちに少しでもみずからの罪を自覚して、反省してほしいと考えたんです。
まずは「もし、自分の家族や大事な人が犯罪に巻きこまれたら?」と、自分ごととしてとらえてもらおうと。それが更生への第一歩だと考えました。そこで歌だけでなく、受刑者に向けてメッセージを伝えるようにしました。私たちのもとには被害者や家族から手紙が届くのですが、それを読むこともあります。私は元看護師なので、これまでの命と向き合ってきた経験も話すようになりました。すると、涙をこぼす受刑者の姿が見られるなど、コンサート中の反応も変わってきました。
── ただ、歌を歌うだけではなく、受刑者の方にとって罪の重さや命の大切さが伝わる活動になったんですね。
Manamiさん:刑務所を出所した方たちから、これまで何千通もお手紙をいただきました。「Paix2さんの歌とメッセージをきっかけに、もう2度と犯罪に手を染めないと強く決意しました」などと書かれているのを見ると、本当にうれしいです。私たちの活動が、誰かの支えになっているんだなと思うと、続けてきてよかったです。
Megumiさん:「受刑者の更生を支援するコンサート」と聞くと、堅苦しいものをイメージする人もいると思います。でも、彼らは声を出すことはできないのですが、私たちのマイクパフォーマンスによって笑いが起こることも多いんです。コンサート内の「受刑者いじり」は名物でもあるんですよ。