介護や子どもの問題は何度も話し合ったけれど

── 結婚したことについては、事後報告だったのですね。
みどりさん:はい。強行突破だったと思いますが、私ももう大人すぎるほど大人ですし、親に反対されても自分の人生だからいいのかなって思ったんです。新築の家に両親を招き、「そこまで本気なら」とやっと認めてもらえて、今では陰ながら応援してくれています。
── 両家のご家族に認められて。みどりさんは2回目の結婚生活になりますが、結婚生活を営むうえで、意識していることはありますか?
みどりさん:離婚を経験しているので、結婚しても今の幸せがずっと続くとは限らないと思っています。だから、イサムがいてもいなくても自立していたいし、イサムはそばにいてくれるけど、イサムに依存しないでいきたいと思いますね。
── 歳の差夫婦の場合、先ほどみどりさんが心配されたように子どもの問題や、将来の健康や介護、見た目の変化について心配する声があります。
みどりさん:見た目に関しては、この先、私はどんどん年老いて、シミもシワも増えていくでしょう。実際、イサムと出会ったのは今から3年前ですが、当時から10キロ太ってしまいました。更年期太りなのかわからないけど、そんなに食べてないのに顔も体も丸くなって、過去の写真を見ては自分でガッカリしているんですけど…。イサムは「俺はどんなみどりでも好きだし、シミもシワも自然なことだから別に気にしないよ。でも、もしみどりが気になるんだったら一緒にきれいになろう」って言ってくれて。
子どもについても何度も話し合ってきました。イサムは「自分が好きになったのは、(当時)51歳のみどりで、全部覚悟のうえでプロポーズしている」と。将来の介護も、今は健康に過ごしているけど、明日病気になるかもしれないし、20年後かもしれない。もしかしたら先にイサムが病気になる可能性もあるし、先のことは誰もわからないじゃないですか。もし私に介護が必要になって、イサムが大変だったら施設に入れてもらうとか、イサムがやりやすいようにやってもらっていいし、それよりも今を楽しもう。後悔しないように全力で楽しく過ごそうって2人で言っています。
── 大事なことですよね。
みどりさん:それに、将来の介護を心配する前に、今年は乳がん検査で引っかかってしまいました。もともと嚢胞があったので定期的に検査をしていましたが、今年は大きい病院で精密検査をすることになったんです。「もし、がんになったら髪の毛が抜けたり、胸がなくなったり、薬の副作用で不安定になったり…。それを33歳のイサムに背負わすのはさすがにできない」と思って、そのときばかりは、結婚したことは間違いだったのかなって真剣に考えました。
イサムはイサムで病気についてすごく調べてくれたし、検査に行くときも結果を聞きに行くときもすべてつき添ってくれました。結果は大丈夫でしたが、イサムはどんなときでも見守ってくれるんだな、と再確認した出来事でした。
── 今は、健康に気をつけていることはありますか?
みどりさん:私が気をつけるというより、イサムがすごく気をつけてくれます。「みどりはもっと運動したほうがいい」と言って、ジムに週1回連れ出してくれるし、更年期にいい漢方があると聞けば、探してきてくれるとか。睡眠も、私はもともとショートスリーパーで、ときには2時間睡眠のときもありましたが、イサムは睡眠を大事にする人で、私もイサムにならって1日8時間は睡眠を確保しています。