元DA PUMP・宮良忍さんが営む民宿は亡き母から継いで13年。目玉のクルーズ観光はリピーターの厚い支持を得ています。クラウドファンディングで3900万円の船を調達し、振動も少ない快適なクルージングを実現。自然やお客様とも共生する新たな観光のあり方を提案しています。
ジャンルは違うけど、いまも「エンタメ」
── 1997年、「DA PUMP」のSHINOBUとしてデビューし、1998年から5年連続で紅白歌合戦に出場した宮良忍さん。地元・小浜島が舞台のNHKの朝の連続ドラマ小説『ちゅらさん』の与那原誠役も話題になりました。2011年から小浜島で民宿宮良を経営しており、予約でほぼ満室という忙しい日々を過ごしているそうですね。
宮良さん:ありがたいことに、東京時代の多くの友人・知人がリピーターとして来てくれます。正直、民宿ではお客さんとずっと一緒なので大変と言えば大変ですが(笑)。楽しくやっています。
1日のスケジュールは午前8時に朝食、その後は民宿のツアーに出て、午後3時ころまで僕の船で一緒にクルージング。夕食は外の店で食べてもらうので、居酒屋さんなどへの送迎をして、合間に船を洗って、用具類を手入れします。食事から戻ってきたお客さんとお酒を飲んで、みんなでおしゃべりすることを沖縄の方言で「ゆんたく」というのですが、その時間が夜10時~10時半くらいまで続きます。
── 仕事は長時間にわたり、大変そうにも思えますが、すべておひとりで?
宮良さん:基本的に僕がひとりでやっています。加えて、もともと小浜島のホテルのスパに勤務していた妻がエステや、手がまわらない部分をカバーしてくれています。僕には小学1年生と3年生の子どもがいますが、夕方の下校時は家で迎えられますし、予約がない日は家族で海遊びに出かけるなど、家族との時間も大切にしています。

── プライベートも大切にしているのですね。民宿経営は、宮良さんの性格にあっていますか?
宮良さん:人を喜ばせるのが好きなので合っていますし、楽しいです! DA PUMPのときは歌やダンスで、いまは海を見せたり、船でお客さんを楽しませています。ジャンルは違うけれど、以前と変わらずいまも「エンタメ」をしている感覚です。
DA PUMPの活動から得たもののなかに、相手のことを考え、思いやる気持ちがあります。あえて「サービス」として気配りするのではなく、自然に一緒に楽しむスタンス・感覚かな。民宿にDA PUMPファンのお客さんが来てくれたら、ボートでDA PUMPの曲をかけますし、頼まれたらTシャツにサインもします。こちらは何も隠さず、かまえることもなくそのまま接するだけです。