ふざけんな!と思っても「いまが踏ん張りどき」

── 一緒に働くなかで、夫婦ならではの難しさもあるのでは?

 

ゆーびーむ☆さん:ありますよ、毎日(笑)。「氷と炭酸がたりないから、両方買ってきて」と言っても、彼は氷しか買ってこない。1つ買った時点で満足して忘れちゃうんです。結局「もう、私行ってくるわ!」ってなる。ポンコツすぎてケンカになることはしょっちゅうです。

 

でも、お客さんがその「ダメな姿」を見て楽しんでくれているんですよ。彼が仕事もしないで、ぼーっと突っ立ってお酒を飲んでいると、「今日もサボってるね〜」って笑ってくれて。何もしない姿が、逆に名物みたいだといわれることも(笑)。私がバタバタ動いて、彼がのんびり構えて。その空気感が、店の味になっているのかもしれません。

 

── 夫婦として、いいバランスが取れているということなんですかね。ゆーびーむ☆さんは、大変かもしれませんけど(笑)。

 

ゆーびーむ☆さん:「ふざけんなよ!」って思うこともあるけど、彼は純粋でやさしいし、どんな状況でも前向き。嫌いにはなれないですね。お店は芸人仲間もバイトで手伝ってくれています。みんなライブや収録があるから、急に予定が変わってもお互い理解し合える。

 

「自由にしていいから!」って言っているので、みんな「ここは働きやすい」と言ってくれる。それはうれしいですね。いまは3~4人で回していて、ありがたいことに順調です。周りのみんなに支えられていることを実感しています。

 

── パチンコ生活から一転、バー経営と芸人の二足のわらじな現在。あれほど足繁く通っていた頃と比べれば機会は減ったと思いますが、パチンコが恋しくなったりしませんか?

 

ゆーびーむ☆さん:正直、行きたい気持ちはあります(笑)。バーをオープンした直後はお店のことで手いっぱいでしばらく行けない時期もありました。でもいまは、以前ほどの頻度ではないものの、行くことはあります。ときどきお客さんがパチンコグッズを持ってきてくれるんですよ。ボタンを押すと「ピコーン」って光るレインボーのやつ。お店に飾ってあるんですけど、それを押されると…ちょっとウズウズします(笑)。

 

パチンコ台を買って家でやればいいのでは?と言われることもあるけど、それだとおもしろくないんですよね。お金を投じてギリギリの状況から一発逆転するのが、醍醐味というか…。夫もそこは心配しているんです。「収入が安定したら、ギャンブルをやっても、つまんなくなるんじゃない?」って。

 

── 心配するの、そこですか(笑)。グッズは撤去したほうがいいのでは?

 

ゆーびーむ☆さん:大丈夫です(笑)。いまはとにかく、バーを軌道に乗せて収入を安定させたい。そして、子どもを育てられる環境を整えて、本業のお笑いにも全力を注ぎたいです。未来のために、いまが踏ん張りどころだと思っています。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/ゆーびーむ☆