「子どもがほしい」。そう思ったときに人生のスイッチが入ったゆーびーむ☆さん。長年続けていたパチンコに割く時間を減らし、家族のために東京・中野でバーを開業する決心をします。

パチンコ頼りの生活では子育てできない

── 夫の借金発覚から始まった結婚生活。一時は夫婦ともにパチンコで生計をたてていたお笑い芸人のゆーびーむ☆さん。そんな生活に終止符を打とうと決意したきっかけは、「子どもがほしい」という思いでした。生活を立て直すために選んだのが、夫婦でバーを営むこと。芸人としての活動を支え、生活も安定させることを狙った挑戦だったそうですね。どんな思いがあったのでしょうか。

 

ゆーびーむ☆さん:私が37歳、夫が48歳。年齢的に子どものことを考えるなら本気で動かなきゃと思いました。このままの生活で子どもができたら、どちらかが子どもを店外で抱っこしている間に、片方がパチンコを打って交代する未来が浮かんで「それだけは絶対に嫌だな」と。そこから、「このままじゃダメだね」と2人で話して、パチンコ中心の生活からは距離を置くことにしました。完全にやめたわけではないけれど、少しずつ回数を減らしていったんです。

 

ただ、芸人の仕事は浮き沈みが激しくて、収入の不安定さはずっとつきまとっていました。このままでは、夫の芸人人生も私たちの結婚生活も共倒れになる。そう思ったんです。

 

ゆーびーむ
『BEAM BAR』のオープンで夫とツーショット

── 働き方を見直す必要がある、と感じたんですね。

 

ゆーびーむ☆さん:そうなんです。芸人って急に仕事の話が来ることも多いので、決まった働き方だとどうしても対応が難しい。たとえば「明日、番組出られる?」みたいな話にもすぐ動けるようにしておきたい。でも、別の仕事と掛け持ちすると両方が中途半端になる。その状態がずっとストレスでした。だったら、「彼がムリなく動ける場所を私がつくっちゃおう!」と思ったんです。それがバー経営を始めたきっかけでした。

 

── 夫の働く場所を「妻である自分でつくる」という発想はなかなか出てこないですよね。どんな気持ちで決断を?

 

ゆーびーむ☆さん:みんなには「旦那思いのいい奥さんだね」と言われるんですけど、そうじゃないんです。そうしないと本当にやばいと思って(笑)。お互い崖っぷちで、このままだと共倒れしちゃう。私たちはお互い、ちゃんとした就職経験がないんです。夫は誰かの下で働くというのが合わない。私も毎朝決まった時間に出勤するというのが苦手で。将来子どもができたときに、ふたりとも自分のペースで働けるようにしておきたい、という思いも大きかったです。だったら、好きなことを、好きな時間に、好きなようにやりたい。そう思って、自分の居場所を自分でつくったという感じです。

 

それに夫にずっと、ときめいていたいという気持ちがあります。お笑いをしているときの彼は本当に楽しそうで、キラキラしてる。その姿を見ると「やっぱりこの人、カッコいい」って思えるんです。でも、合わない働き方をしようとすると、途端に顔が曇ってしまう。その姿を見ると魅力を感じなくなっちゃう(笑)。「やっぱり好きなことをやる姿じゃないとダメだな」と思ったのも、バーを始めた理由のひとつです。夫には幸せでいてほしいですし、それが自分の幸せにもつながっている気がします。