結婚のきっかけは娘の卒業式だった
── その後、しばらく経ってから再婚されました。何かタイミングがあったのでしょうか。
武東さん:結婚をきりだされたのは娘が高校を卒業したころでした。私が離婚したばかりの40代前半だったらしていなかったと思うのですが、少し年齢を重ねて私もそういう人が近くにいたらいいと思えたタイミングだったのかもしれませんね。
きっかけは娘の卒業式です。娘の卒業式のタイミングにモトが仕事でたまたま大阪に来ていて、ゴルフをする約束をしていました。次の日が卒業式というタイミングで、そのときに娘がモトに「卒業式に出てほしい」と言ったみたいなんです。それでモトも「俺、行っていい?」って。それで来てくれたのですが、卒業式の途中でモトが後ろの保護者席から大きな声で娘の名前を呼んで手を振り始めて(笑)。そんな保護者はほかにいなかったので驚きましたが、娘はうれしかったみたいです。
モトも娘に卒業式に出てほしいと言われて出席したことがうれしかったようで、そのときに私たちを一生守っていきたいと思ったみたいです。
娘はすでに結婚・出産しているのですが、モトは孫をすごくかわいがってくれています。もちろん、娘の夫とも仲よくしてくれていてありがたいですね。
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武東さんは再婚ですが、夫のモト冬樹さんは59歳で初婚。独身生活が長かったものの、家事ができないなど、当初は驚く点が多かったとか。しかし今では創作料理を作るほどの腕前に成長したそう。でも「晩婚だから、お互い無理をせず合わせすぎないようにしている」と話す武東さん。「お互いを尊重しながら、歩み寄れる部分だけ歩み寄るだけでも成立する結婚生活というのが、晩婚のひとつのメリットかもしれません」と教えてくれました。
取材・文/酒井明子 写真提供/武東由美