第2子の妊活で温度差が「もう2度と誘えない」

あぢゃ
2022年、第2子の次男を出産して

── その後、37歳で第1子を出産されました。当初は、妊娠自体が難しいといわれていたそうですね。

 

あぢゃさん:実は10代から生理不順で、20歳のときにはダイエットの影響で吐きぐせがつき、半年ほど生理が止まってしまったことがありました。子宮の状態を整えるため、婚活を始めた35歳ごろからは定期的にクリニックに通うようになり、排卵誘発剤の注射や薬の服用を続けていました。医師からは「妊娠は難しいかもしれませんね」と言われていたので、正直かなり落ち込みました。

 

でも夫が「もし子どもができなくても、ふたりで楽しく生きていこうね」と言ってくれたんです。その言葉に救われました。それでも街で子どもを見かけるたびに「どうして自分だけ」と胸がギュッと痛みました。その後も通院しながら、排卵の時期に合わせて夫婦生活を持つタイミング法で、半年ほど試していたころ、妊娠が判明。医師から「おめでとう」と言われた瞬間、思わず号泣しました。

 

初めての妊活は半年で結果が出ましたが、2人目の妊活で夫婦の壁にぶつかりました。

 

私としては年齢的に早く2人目がほしくて。でも夫が疲れている日が多く、あまり乗り気じゃなかったんです。妊活を始めて2か月ほど経ったときに、「もういいよ。ひとりで十分じゃない?」と断られました。そのときはかなりショックでしたね。「もう2度と誘えないかも」と思うほど落ち込みました。

 

── 妊活って、夫婦で温度差が出ることも多いですよね。

 

あぢゃさん:そうなんです。だからこそ、責めないように気をつけました。夫もストレスを感じているだろうし、ここでケンカしたら意味がない。だからあえておどけて、「お~い、断んなよ~次は頼むよ~」とか、「あちゃ~、断られた~」って笑いに変えるようにして。

 

── センシティブな問題をあえてシリアスにしない。相手を責めずに空気をやわらげる、それって簡単じゃないですよね。

 

あぢゃさん:試行錯誤しましたよ。照明を落としてムーディーな曲を流してみたり、勝負服を着てみたり。にんにくてんこ盛りの料理を出したり、養命酒を2杯飲ませてみたり。それでも全部ダメで「ここまでやったのに断んのかい!」って。もうコイツの洗濯物だけ洗うのやめようとか、夫の歯ブラシでシンクを磨く想像したりして、脳内で夫をこっぴどく懲らしめて怒りを発散してました(笑)。

 

でも、やっぱり2人目が欲しかったので自分のプライドはあと回し。責める言葉が喉まで出かかったこともあるけれど、そこはグッと飲み込んで「じゃあ、次はタイタニックのテーマ曲でも流す?」なんて冗談めかして。

 

── そんなとき、旦那さんはどういう反応だったのでしょう?

 

あぢゃさん:最初は気まずそうにしてたけど、「いや、こっちもごめんね」と言ってくれました。優しい人なんです。私も心が離れないように交換日記をして「忙しいよね、ごめんね」って書いてベッドに置いたり。結局、そうやって思いやることで、また近づけたんだと思います。お互いを思いやる大事な時間にもなりました。人生1回きり、ケンカでエネルギーを使うのはもったいない。どうせなら笑って過ごしたいですしね。