人生に「たられば」はない

── そんな苦しい思いを、どうやって乗り越えてこられたのでしょう。

 

あぢゃさん:家族がずっと支えてくれました。「あんたのせいじゃないよ」と何度も言ってくれ、父も「お前が元気で笑って生きていれば、それでいい。お母さんもそれを望んでいるから」と。あの言葉でようやく、自分を責める気持ちから少しずつ解き放たれていった気がします。

 

幼かった私の反抗期は、母の死とともに終わりました。それ以来、父とも隠しごとのない関係になって何でも話せるようになったんです。

 

「人生にたらればはない」「ありがとうとごめんねは、思ったときにすぐ伝える」。それが、私の中で生きるルールになりました。今は、自分の子どもにもそう伝えています。

 

 

母に対して後悔を抱きながら、ヤマンバギャルを卒業していろいろな仕事をしたのち、37歳で結婚し、無事に第一子を出産します。第二子妊娠に関しては夫婦で温度差があったといいますが、夫婦で会話を続けながら、現在は3人の子の母となって幸せに暮らしています。

 

取材・文/西尾英子 写真提供/あぢゃ