渋谷で過ごした時間を振り返って
── 今、振り返って、当時の渋谷で生きていた自分をどう感じますか?
あぢゃさん:とにかく楽しくて、毎日がお祭りのようでした。SNSがない時代だったから、人とつながるには、直接会うしかなかったんですよね。泣いたり笑ったり、感情をその場で共にするからこそ、関係が深くなっていった気がします。
落ち込んでる子がいたら、全員で盛り上げて笑わせて、「とりあえず、日サロ行こう」が合言葉。ヤマンバメイクも気持ちを上げるスイッチみたいなもので、ポジティブになれるんです。
あのころにつちかったプラス思考は、今も私の支えです。どんな困難も「なんとかなる」って思えるのは、あの時代があったからですね。
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ヤマンバギャルとして日々楽しく過ごしたあぢゃさんですが、中2のときに母を乳がんで亡くしています。本当はママっ子だったはずなのに、当時は素直になれず、はじめて交換日記に思いを綴ったタイミングで母は亡くなっていました。一生の後悔だと語るあぢゃさんですが、家族の支えで前を向けたと語りました。
取材・文/西尾英子 写真提供/あぢゃ